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ナダル全仏オープン制覇 グランドスラム初優勝。

表彰式に臨むプエルタとナダル。右端はジダン。
表彰式に臨むプエルタとナダル。右端はジダン。
画像提供:Getty/AFLO

(フランス、パリ)

全仏オープン最終日の5日、男子シングルス決勝が行われ、R・ナダル(スペイン)M・プエルタ(アルゼンチン)が優勝をかけて対決した。全仏オープンでは初の左利き同士の決勝決戦は、まさに2週間の長丁場の締めくくりにふさわしい闘志溢れる大熱戦となった。ノーシードで決勝まで勝ち上がってきたM・プエルタが持てる力全てを出し切って第4シードのR・ナダルに立ち向かったが、世界最高のクレーコーターの前に今一歩力及ばなかった。

ナダルは第1セットをタイブレークの末に落とし、第4セットでも2セットオールになるセットポイントをプエルタに握られるものの見事振り切り、6-7 (6-8), 6-3, 6-1, 7-5で逆転優勝を決めた。これでナダルは全てクレーコートで勝ち取った連勝を24とし、自身初のグランドスラムタイトルを獲得した。全仏オープン初出場初優勝を決めたのは、1982年のM・ウィランダー(スウェーデン)以来のことである。また、2002年のA・コスタ(スペイン)、2003年のJ・C・フェレーロ(スペイン)に続いて、ここ4年間で3人目、オープン化以降6人目のスペイン人チャンピオンとなった。

3時間24分に及んだ試合は、第1セット第1ゲームでナダルがプエルタのサービスゲームをブレイクして幕を開けた。ナダルが3-1のリードで迎えた第5ゲーム、まだ固さが目立っていたプエルタは急に痛みを感じたのか途中でトレーナーを呼び、右太ももにテーピングを施す。直後は足の痛みをかばうかの様子も見られたが、逆にリズムを取り戻し、プエルタは強打を炸裂させ、そのサービスゲームをキープ。続くナダルのゲームもブレイクすることに成功し、徐々に攻勢に回ると、タイブレイクに持ち込んだ。一進一退の攻防の中でナダルも一度はリードを奪ったが、強打を貫き通し、粘りを見せたプエルタが8-6でタイブレイクを制し、セットを先取する。第1セットだけで既に72分が経過し、前日に行われた女子決勝のJ・エナン=アルデンヌ(ベルギー)M・ピアース(フランス)の試合決着より10分も長かった。
「第1セットを彼(プエルタ)に取られたときは負けるんじゃないかと思った。本当に彼が勝つような気がしたんだ。」とナダルが語っているほど、プエルタの勢いには凄まじいものがあった。

ラファエル・ナダル
期待に答え、見事優勝を決めたナダル
画像提供:Getty/AFLO

第2セットはナダルがラリーに持ち込ませず、ドロップショットなどでウィナーを量産し攻勢に回った。第4ゲームでナダルがプエルタのゲームをブレイクし、そのまま1ブレイクアップで第2セットを勝ち取り、1セットオールとする。
続く第3セットでは、第1セットと同じくナダルが第1ゲームでプエルタからブレイク。第5ゲーム、第7ゲームでもナダルがブレイクに成功し、6-1で難なく第3セットを決めた。攻めに焦りが見え始めたプエルタはミスが明らかに増え、最後も痛恨のダブルフォールトでセットを失った。
2セットを容易に連取され、敗戦の色が濃くなっていたプエルタだが、第4セット開始直後に息を吹き返し、持ち前のハードヒットでナダルの凡ミスを誘うと、第1ゲームでブレイクを奪う。しかし、ナダルも即座にブレイクバックに成功し、そこからは互いに一歩も譲らないキープ合戦となる。第7ゲームでは、ナダルが0-40でプエルタにブレイクポイントを握られるというピンチを迎えるが、何とかキープする。しかし、第9ゲームでもブレイクポイントを握ったプエルタは、今度は押し切り、値千金のブレイクに成功し、5-4とリードして、第10ゲーム自分のサービスゲームとなる。プエルタの勢いはとどまらず、40-0とリードしセットポイントを握った。誰しもがこのままセットが決まり第5セットへ突入するだろうと思った。しかし、そこでナダルが驚異的な粘りを見せて挽回しゲームをブレイクし、ゲームカウント5-5に戻す。

満員の観客も完全に選手たちと一体となっていた。興奮のるつぼと化した会場からは、ショットが決まるごとに熱気が爆発するかのように大きな拍手が送られた。
プエルタも、「もし5セットに持ち込めていたら、結果がどうなったか分からないよ。第5セットまで戦いたかった。観客の皆さんが僕の名前をコールしてくれたときは、興奮で鳥肌が立ったよ。あのときのセンターコートの熱気は凄かった。観客の皆さんのためにも、最終セットまで粘りたかった。」と大舞台での大詰めのときの心境を語った。
一方のナダルは、「ボール一つ一つに闘志を注ぐんだ。試合中とくに辛い状況のときは、ファイトして、ファイトして、ファイトし続けるんだ。」と、逆境にも屈しない闘志でこのピンチを切り抜けたのだと言う。

そして迎えた第12ゲームの30オールの場面、ナダルがフォアハンドのウィナーをオンラインで決め、チャンピオンシップポイントを奪うと、最後はプエルタのショットがアウトし、ナダルの勝利が決定。その瞬間、背中からコートに倒れこんだナダルは両腕を突き上げ、勝利の雄叫びをあげて喜びを爆発させたのだった。緑色のノースリーブシャツと白のハーフパンツを泥んこにしながらも、起き上がったナダルは観客席に駆け上り、応援に来ていた家族やコーチと抱き合い、喜びを分かち合ったのであった。その後、コートに戻り、ベンチに座ると、急に熱いものがこみ上げてきて、しばしタオルで顔を覆う若き王者だった。

試合は特に第1セットと第4セットはプエルタの攻勢が目立ったものの、終わってみれば、ナダルが18回のブレイクポイントのうち8回をものにし、28本の凡ミスに対して54本のウィナーを決めたのに対し、一方のプエルタは、14回のブレイクポイントのうち3回しか決められず、54本の凡ミスに対して45本のウィナーという結果であった。


マリアノ・プエルタ
敗れはしたものの、大健闘のプエルタ
画像提供:Getty/AFLO

初出場ながら、大会前から優勝候補の筆頭だったナダルは、表彰式で、「とてもハッピーだ。信じられないような出来事で、どうやって今の気持ちを表現していいか分からない。(優勝したのは)まるで夢のようだ。」と、最近上達した英語でスピーチした。そして、スペイン語で決勝戦を観戦に来ていたスペイン国王と女王への感謝の言葉を述べ、「そして、この2週間僕を支えてくれた全ての人にも同じく感謝します。皆さんのおかげでここまで来られました。」と満員の観客にお礼をした。全仏オープンの表彰式ではよく特別ゲストが優勝トロフィーを渡すプレゼンターとして登場するが、この日はナダルがファンであるレアル・マドリッド所属、元サッカーフランス代表のジネディーヌ・ジダンから賞杯が手渡された。

この勝利で、ナダルは今季の戦績をクレーコートでは38勝2敗、全体では48勝6敗とした。スペインのマヨルカ島出身の「怪物」は、世界ランク1位で今大会トップシードのR・フェデラー(スイス)を破った準決勝の日に19歳の誕生日を迎えており、全仏オープンでは4番目、グランドスラムでは6番目に若いチャンピオン。そして、今年6タイトル目を勝ち取ったことで、月曜日付けの最新ランキング(チャンピオンズ・レース)でフェデラーを抜いて1位に躍り出ることが確実で、オープン化以降でティーンネイジャーとしての最長連勝記録をも更新した。

惜しくも準優勝に終わった現在26歳のプエルタだが、今回は2003年のUSオープン以来のグランドスラム参戦だったことを考えれば、大健闘と言ってもいいだろう。彼は2003年の10月に、急性の喘息のために医者に処方してもらった薬に含まれていた成分のせいでドーピング違反となり、9ヶ月の試合停止を命じられ、昨年の8月には440位までランキングを落とし、そこから這い上がってきた。
「どこから話し始めていいか分からないけど、沢山言いたいことがある。まずは、ナダルにおめでとうと言いたい。彼は素晴らしいプレーヤーだ。大会には優勝できなかったけど、この場に立てて、優勝したのと同じくらい嬉しくと思っている。」と自らの辛い経験を振り返り、喜びをかみ締めるプエルタだった。


左:V・ルアノ・パスクアル 右:P・スアレス
ルアノ=パスクアルとスアレス、4度目の全仏優勝
画像提供:Getty/AFLO
同じく日曜日には、男子シングルス決勝に先駆けて女子ダブルス決勝が行われ、トップシードのV・ルアノ=パスクアル(スペイン)/P・スアレス(アルゼンチン)組が、第2シードのC・ブラック(ジンバブエ)/L・フーバー(南アフリカ)組を4-6, 6-3, 6-3で退けて、同ペアとしては4回目の全仏オープン優勝を飾った。ルアノ=パスクアル/スアレス組は5年連続で同大会ダブルス決勝進出を果たしており、今回が8回目のグランドスラムタイトル獲得である。





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