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2011年

  • 大会見所
  • 第1日
  • 第2日
  • 第3日
  • 第4日
  • 第5日
  • 第6日
  • 第7日
  • 第8日
  • 第9日
  • 総括
2011年大会の見所
男子シングルスでは、今年のデビスカップで日本のワールドグループ昇格の立役者となった杉田祐一が大会2連覇を目指す。そして第1シードとして出場する伊藤竜馬は、今シーズンのUSオープンで本戦に出場、ジャパンオープンでも2回戦に進出するなど世界で戦う実力を身に着けてきたが、いまだに全日本のタイトルには縁がなく、今年は間違いなく「勝ち」にくる大会になっている。

この2人を中心に大会が回っていくことが予想されるが、この他にも海外の下部大会を中心にツアーを回っている小ノ澤新や、ベテランの域に達しつつある近藤大生、そして長年に渡り日本男子テニスをリードしてきた鈴木貴男など、日本のトッププロたちが天皇杯を目指して熱い戦いを繰り広げる。

女子シングルスでは、東レPPOで予選を突破して本戦出場を果たしていた瀬間詠里花が第1シードとして出場する。ここ最近の優勝者を見ると、2008年のクルム伊達公子にはじまり、2009年の奈良くるみ、そして2010年の土居美咲と、今大会で優勝をきっかけに世界に飛び出していった選手が名を連ねているだけに、初の第1シードとして出場する全日本にかける意気込みはこれまでと違うだろう。

第2シードには2001年のチャンピオンである藤原里華が選出されている。今年で30歳になり、女子テニス選手としてはベテランとなったが、まだまだ若手に負けずに元気な姿を見せてくれる。また、第3シードには瀬間姉妹の姉である友里加、第4シードには波形純理と強豪が優勝者に贈られる秩父宮妃記念楯を目指し火花を散らす。

男子ダブルスでは、伊藤竜馬と近藤大生が第1シードとして出場する。シングルスでも第1シードの伊藤は、2005年の岩淵聡以来となる全日本2冠を目指す。一方の近藤は、岩見亮を組んだ昨年に続くダブルス2連覇がかかっている。

女子ダブルスは絶対的な優勝候補がいない展開となった。今年は有力選手の多くがシングルスのみに専念しているため、どのペアにもビッグタイトル獲得のチャンスがあるといえる。第1シードの手塚玲美/米村明子組はもちろんのこと、第4シードの石津幸恵/井上雅組など若手の活躍にも注目したい。
第1日
大会第1日の結果
いよいよ開幕した全日本選手権、初日は女子シングルス1回戦などが行われ、予選を突破してきた15歳の辻佳奈美が今西美晴にフルセットの逆転で勝利、初の全日本本戦で初勝利を飾っている。また17歳の尾崎里沙、澤柳璃子も初戦を突破するなど、若手選手が躍動した1日となった。

この他の試合では、31歳の手塚玲美が18歳の牟田口恵美にファイナルセットのタイブレークで競り勝つなど、ベテランも奮起している。
第2日
大会第2日の結果
大会2日目の日曜日、恒例となった「ダブルスサンデー」はセンターコートでダブルスが4試合も行われ、強豪ペアが勝ち名乗りを挙げた。

男子ダブルス第1シードの伊藤竜馬/近藤大生組は順当にストレート勝ち。また女子ダブルス第1シードの手塚玲美/米村明子組もストレート勝ちを収め、全日本のタイトルに向けて好調なスタートを切っている。

この日は悪天候のため、センターコート以外の一部の試合が順延となっているが、その中でも行われた女子シングルス1回戦では、昨年ベスト4の桑田寛子が樋口由佳にフルセットの逆転で敗れ、初戦で姿を消している。
第3日
大会第3日の結果
女子シングルスの2回戦が始まった大会3日目、1回戦を勝ち上がってきた選手たちが2回戦から登場となるシード勢と激突した。上位陣に波乱はなく、第3シードの瀬間友里加、第4シードの波形純理、そして第5シードの中村藍子ら優勝争いの有力候補が順当に勝ち上がっている。

この日から開幕した男子シングルスでは、ウィンブルドンジュニアでベスト4の快挙を成し遂げた内田海智が快勝で全日本デビューを飾っている。

また男女ダブルスは前日の雨のために順延となっていた試合が行われ、ともにベスト16が出そろった。
第4日
大会第4日の結果
男女シングルス2回戦が行われた大会4日目、全日本のタイトルを狙う有力候補たちが、順当に勝ち上がった。

男子シングルス第1シードの伊藤竜馬は、センターコートで若手のホープである内田海智と対戦。世界で戦う先輩としての貫録を見せつけるかのようなプレーで快勝、自身初となる天皇杯獲得に向けて好調な滑り出しとなった。

女子シングルスでは、第1シードの瀬間詠里花、第2シードの藤原里華が揃って勝利。また第7シードの石津幸恵も3回戦に進出するなど、強豪たちが勝ち進んでいる。
第5日
大会第5日の結果
3回戦が行われた女子シングルス、ベスト8が出揃った。第1シードの瀬間詠里花は若手の尾崎里沙に問題なく快勝した一方、第2シードの藤原里華は山外涼月にフルセットの接戦を強いられるなど、内容の違いこそあれ、上位シード勢が順当にベスト8入りしている。

男子シングルスではボトムハーフの2回戦が行われ、大会連覇を狙う第2シードの杉田祐一をはじめ、この日が初戦となったシード勢が勝ち上がっている。

準々決勝が行われたダブルスでは、女子に波乱が起きた。第1シードの手塚玲美/米村明子組が主催者推薦で出場の尾崎理沙/二宮真琴組にフルセットで敗退、ますます優勝争いが混沌としてきた。
第6日
大会第6日の結果
男子シングルス3回戦が行われた男子シングルスで波乱が起きた。主催者推薦で出場の田川翔太が、昨年の全日本チャンプである杉田祐一からフルセットの逆転で勝利、ベスト8の座を文字通り奪い取った。

女子シングルスでは準々決勝が行われ、トップ3が順当にベスト4に名を連ねた一方、第12シードの青山修子が第4シードの波形純理を撃破、トップ4に風穴を開けた。

大会第6日の見所
大会6日目は、男子シングルス3回戦と女子シングルス準々決勝、そしてミックスダブルス準決勝が行われる。

男子シングルスでは第1シードの伊藤竜馬が綿貫裕介、第2シードの杉田祐一が学生チャンピオンの田川翔太の対戦に注目が集まる。今大会での優勝が至上命題である伊藤に対し、綿貫がどこまで思い切りのいいテニスをできるのか?

また第8シードの鈴木貴男は、第12シードの関口周一と対戦するなど、ベテランと若手の世代交代がかかる1日になりそうだ。

女子シングルスでは、第1シードの瀬間詠里花がノーシードから勝ち上がってきた高山千尋と対戦する。持ち前の強打で中村藍子を破った高山に対し、瀬間がどういったプレーを見せてくれるのか興味深い。

また瀬間姉妹の姉である第3シードの瀬間友里加もノーシードの選手と対戦する。ここまで第6シードの飯島久美子、第10シードの大前綾希子といった強豪を破る快進撃を続ける澤柳璃子が、その勢いで2008年準優勝の瀬間を破るのか?
第7日
大会第7日の結果
女子準決勝が行われた大会7日目、トップ2シードが全日本のタイトルマッチに臨むこととなった。まず決勝進出を決めたのは第1シードの瀬間詠里花。第12シードの青山修子に第1セットをベーグルで落とす苦しい展開ながら、第2セット以降は試合の主導権を完全に握り、圧巻の逆転勝ちで初の全日本決勝の舞台に勝ち進んだ。

続いて行われた準決勝では、第2シードの藤原里華が第3シードの瀬間友里加をこちらもフルセットの逆転で下し、2001年以来10年ぶりとなる決勝進出を決めている。

男子では第1シードの伊藤竜馬が第8シードの鈴木貴男にストレートで勝利、順当にベスト4進出を決めると、準々決勝で第2シードの杉田祐一を破る波乱を演出していた学生王者の田川翔太が快進撃を続け、内山康崇をストレートで撃破するなど、4強が出そろった。
大会第7日の見所
大会7日目は、男子シングルス準々決勝と女子シングルス準決勝、そして男女ダブルス準決勝が行われる。

男子シングルスで注目を集めるのが、第1シードの伊藤竜馬と第8シードの鈴木貴男の一戦だ。今シーズンはUSオープンの本戦に出場するなど、飛躍の一年となった伊藤であるが、いまだに全日本のタイトルとは無縁。一方の鈴木は、全日本で3度の優勝を誇り、出場選手の中で最も全日本の戦い方をしっている。早くも実現した注目の一戦、激しい点の取り合いが期待される。

女子シングルスでは、第2シードの藤原里華と第3シードの瀬間友里加が激突する。2001年のチャンピオンである藤原と、2008年の準優勝者である瀬間。お互いに全日本での戦いを熟知しているだけでなく、戦術をベースとした戦い方を得意とするだけに、最近の女子テニスにありがちな強打一辺倒ではなく、玄人好みの試合展開が期待できる。
第8日
大会第8日の結果
女子シングルス決勝が行われた大会8日目、ベテランの藤原里華が自身初となる全日本タイトル獲得に燃える瀬間詠里花をストレートで破り、10年ぶり2度目となる全日本制覇を成し遂げた。先にリードを奪った瀬間であったが、第1セット中盤からエンジンがかかり始めた藤原が逆転でセットを先取すると、一進一退となった第2セットでも終盤で抜け出し、30歳のベテランが執念で勝利をもぎ取った。

準決勝が行われた男子シングルスでは、第1シードの伊藤竜馬と第4シードの守屋宏紀が決勝進出を決めている。伊藤は第4シードの松井俊英に貫録の勝利で2008年以来2度目、守屋は今大会のダークホースとなった学生チャンプの田川翔太に快勝し、自身初となる全日本決勝進出を決めている。

大会第8日の見所
女子シングルスでは決勝が行われる。自身初となる全日本タイトルに王手をかけた瀬間詠里花と、2001年以来2度目の優勝を狙う藤原を迎え撃つ。瀬間の姉である友里加が2008年に決勝に進出した時には、観客席から試合を見るしかなかった詠里花であるが、今回は主役の一人として決勝の舞台に立つ。

男子シングルスでは準決勝が行われる。センターコート第2試合では、伊藤竜馬と第4シードの松井俊英が激突する。これから本格的に世界に打って出ようとしている伊藤にとって、いまだ縁のない全日本のタイトルは是が非でも欲しいところ。一方の松井にとっても、悲願の全日本タイトルは誰にも譲れないだろう。

続く試合では、第3シードの守屋宏紀と主催者推薦で出場の田川翔太が対戦する。高校生であった2008年以来にベスト4入りを決めた守屋は、今大会の台風の目となった学生王者の田川の勢いを止めることはできるのか?

第9日目
大会第9日の見所
大会最終日となる9日目は、男子シングルス決勝と男女ダブルス決勝が行われる。

まず注目される男子シングルス決勝では、第1シードの伊藤竜馬と第3シードの守屋宏紀が天皇杯をかけて激突する。すでに世界でも結果を残しつつある伊藤にとって、今大会は勝つべくして勝つ大会と考えられるが、そのプレッシャーをはねのけて優勝するのは並大抵なことではないだろう。一方の守屋は、挑戦者として思い切りのいいプレーでどこまで伊藤を追い詰めることができるのか?

総括
大会総括
1年に1度、日本のトップ選手が有明に集まり、『全日本』と名のついた唯一のタイトルを争う全日本テニス選手権が終わった。激闘となった男子シングルス決勝、最後にトロフィーを掲げたのはジュニア時代から将来を嘱望されていた守屋宏紀だった。高校時代にインターハイでシングルス、ダブルス、そして団体の3冠を達成と輝かしい実績とともにプロデビューを果たしたが、全日本では高校時代のベスト4を超えられなかった守屋。今年に入り、じっくりと確実に成長してきたことを最高の形で証明した。

一方の伊藤竜馬は、ダントツの優勝候補として今大会に臨み、自らにプレッシャーをかけながらも決勝進出という結果を残した。惜しくも悲願のタイトルには手が届かなかったが、それでも得るものがあった大会だっただろう。

女子シングルスでは、30歳のベテラン藤原里華が第1シードの瀬間詠里花を気迫で圧倒、2001年以来10年ぶりとなる全日本タイトル獲得を果たしている。

男子ダブルスでは、第1シードの伊藤竜馬/近藤大生組が第3シードの内山靖崇/杉田祐一組をストレートで撃破、下馬評通りの強さで全日本タイトルを獲得した。伊藤にとっては初、近藤は昨年に続き2年連続3度目のダブルス制覇となった。

女子ダブルスでは、本命のいない混戦を抜け出してきた第5シードの青山修子/高畑寿弥組が見事に全日本制覇を成し遂げている。

ミックスダブルスでは、篠川智大/田中真梨組がタイトルを獲得、篠川は昨年の瀬間詠里花とのペアに続き2年連続2度目、田中にとっては嬉しい初優勝となった。

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