FERNANDO GONZALEZ |
Vol.1 天下無双の豪快スウィング |
フォアハンド選手権ならナダルと双璧 |
もしフォアハンドの威力だけを競う競技があれば、ナダルとこのゴンサレスがトップを争うだろう。とくに死んだボールを叩く能力は、この2人がトップ2だと言える。
技術的には、ナダルよりも腕を大きく振り回す印象が強く、ナダルが「鋭い」というイメージなら、こちらは「ダイナミックさ」に特徴がある。それが、圧倒的なスピードと強いトップスピンの両立を可能にしているわけだ。また、高い打点にはゴンサレスのほうが強いだろう。
ただし、このスウィングは、相当筋力がないとできないものであり(筋力がないと身体の回転に腕がついてこれなくなってしまう)、誰にでも真似ができるような打ち方ではない。しかも、スウィングが豪快すぎて打球後にバランスが崩れやすく、相手にカウンターを打たれたときに苦しくなってしまう(これだけ強いボールが打てるので、その弱点がカバーできているという面もある)。 |
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フォア以外のショットが課題 |
また、ゴンサレスの場合、フォアだけが突出している印象があり、その他のショットに弱点があるので、なかなかトップ10には入れないでいる。ナダルのほうがスウィングがコンパクトな分、速いコートにも強く、コートカバーや他のショットとのバランスも含めて、より現代的だと言えるだろう(真似しやすいのもナダルのほう)。 |
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F.ゴンサレスのオープンスタンスでのハードヒット
大きなテイクバックから、大きな身体の回転、大きな腕の振りで打つゴンサレスのフォアハンド。オープンスタンスから右足のひねり上げや体幹のひねりをフルに使って上体の強い回転を生み出しており、それに対して腕が遅れることなく鋭く振り抜けているのがパワーの源だが、それは彼の強い筋力が支えている部分でもある。
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F.ゴンサレスのフラット気味に叩いたハードヒット
こちらは、回転量を減らしてより攻撃的に叩いた場面。ひねりも、腕の振りもフルに使って、ラケットを後ろから前に大きく振っており、見るからに迫力満点だ。6以降はワイパースウィングになっているが、これはスピンをかけるためではなく、最後までラケットを止めずにしっかりと振り切るには、そうするしかないからだ。
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(テニスジャーナル 2004年6月号) © SKI Journal Publisher Inc.
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フェルナンド・ゴンサレス研究編 一覧
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