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HOMEレッスンTOPトッププロの技術研究クレイステルス編
KIM CLIJSTERS

Vol.1 どんな相手にも真っ向勝負の正統派ファイター

高い打点でもボールが浮かない押さえこみ

エナンと並ぶベルギーの2大スター、クレイステルスの両手打ちは、左手の力をかなり使うタイプだ。インパクト時に(とくに高い打点では)左の肘が上がって、上から押さえこむような形になり、高いボールでも強打することが可能だ。同じような特徴を持つ選手は男女ともに存在し、現代的な両手打ちのひとつの形になっている。
また彼女は、クローズドとオープンのどちらのスタンスでも同じようにハードヒットできる、女子では数少ない選手の1人だ(その他ではウィリアムス姉妹など)。オープンスタンスは、次の戻りを速くできるが、女子ではやはりパワーが落ちるのが普通という中で、クレイステルスは足の形にとらわれない良い力の使い方ができているわけだ。実際、オープンスタンスで踏ん張ったときの足腰の強さと安定度は女子No.1と言えるし、さらに腕力も強いので、多少体重が後ろになったり食いこまれたりしても、強引に強打してしまう。ハードヒットできるポイントが非常に広い選手なのだ。

クレイステルスの高い打点からのハードヒット
スクウェアに前に踏みこんでハードヒットした場面。グリップはそれほど厚くないが、左手が主体で、インパクト後も左手の押しを強調したようなスウィングになっている。打点がもっと高いときは、左肘を高く上げて上から押さえこむような打ち方をすることが多い。

一歩も引かない強気なプレイが魅力

クレイステルスの戦い方は、とにかく真っ向勝負で、相手が誰でもかわそうとすることなく徹底的にファイトして打ち負かしていく。フォアでもバックでもエースを狙っていくという、強気な性格がそのまま表われたテニスだ。ただ、その分、調子が悪いと自滅しやすく、大きなプレッシャーがかかるとフォアのミスが多くなることも含めて、まだまだ成長の余地のある選手と言える。
クレイステルスの遠いボールに対する両手打ちバックハンド
遠いボールに対して、足を大きく開いてオープンスタンスで踏ん張り、当てるだけでなくきちんとスウィングして打ち返した場面。4~8の脚の動きに彼女の股関節の強さや柔軟さが表われており、何とか身体を前に向けて、苦しい体勢ながらしっかりボールを叩いている。

(テニスジャーナル 2004年7月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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