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全豪オープン2009特集

11/7~11/13

WTAツアー・チャンピオンシップ (WTA Tour Championships)

Year-End Championships アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス

『モレスモ、悲願のメジャー・タイトル!』

左:アメリ・モレスモ 右:メアリー・ピアース
見事優勝を手にしたモレスモと、準優勝のピアース
画像提供:Getty/AFLO

大会初となったフランス人同士の決勝戦は、まさに手に汗握る展開から、A・モレスモ(フランス)M・ピアース(フランス)を5-7, 7-6(7-3), 6-4の3時間7分の大逆転の末に下し、念願のビッグ・タイトルを手中に収めた。

スタートから両者譲らぬ展開となった決勝戦は、第1セット第3ゲームでピアースが先にブレークすると、すかさず第4ゲームでモレスモがブレーク、その後はサービス・キープが続き、第11ゲームで再びピアースがブレークに成功し、第1セットを先取した。第2セットはモレスモが先にブレークして4-1とリードするが、ピアースが4-4に追いつくと、サービス・キープが続いてタイブレークへと突入。タイブレークでは序盤でミニ・ブレークをしたモレスモがそのまま押し切り第2セットを奪い返し、試合を振り出しに戻した。第3セットもブレークの応酬となったが、第9ゲームでモレスモがブレークに成功し5-4とピアースを追い詰めた。続く自身のサービング・フォー・マッチでは痛恨のダブル・フォルトで0-40と劣勢に立たされるも、力みすぎたピアースが5ポイント連続でミスを犯し、試合に終止符を打った。

これまでどうしても手にすることができなかったメジャー・タイトルの獲得にやっと成功したモレスモは「今までで一番のタイトルだわ。これまでのどんな優勝より最高の瞬間よ。今日の試合は本当に誇りに思う。劣勢でも我慢ができたし、リードして挽回されても攻撃的に戦い抜けた試合展開には言葉もないくらい。まさに感無量!長年待ち望んでいた瞬間なの。」

両者のすべてを出し切った質の高い試合内容だった。ウィナーとエラーは、モレスモが44-25に対しピアースの55-49と両者ウィナーが上回ったが、両者獲得ポイントで124-122とモレスモがわずか2ポイント上回ったに過ぎなかった。「今日のお互いの試合運びは本当にレベルの高いものだったから今も気持ちが高揚してるわ。自分自身、今週はずっと良いテニスができた。それが、こうして優勝トロフィーを掲げられる結果に結びついて最高の結末が迎えられるなんて、これ以上望むことはないわ。」と、26歳のモレスモは喜びを噛みしめていた。

今シーズン18大会に出場し3度の優勝と3度の準優勝を上げたモレスモは、常にランキングで4位以内をキープしていた。昨年9月に世界ランキング1位の座に就き、グランド・スラムの14大会でベスト8以上に入っていたもののタイトルには縁がなく、メジャー大会での勝負強さに欠けると指摘されていた。このツアー・チャンピオンシップの予選では、ピアースには負けたが、今季絶好調のK・クレイステルス(ベルギー)を破り、E・デメンティエワ(ロシア)を下し準決勝へ進出を果たした。準決勝では昨年度覇者で2連覇を狙う緑組1位のM・シャラポワ(ロシア)を7-6(7-1), 6-3のストレートで倒し決勝へ勝ち進んだ。「この優勝は大きなステップになるはず。この先どう影響してくるかまだわからないけど、ここでの自分のプレーは確かに貴重な経験になった。自分が成し遂げたことは本当に価値の高いものだわ。」と、今後の彼女のテニス人生への好影響を本人も予感しているようだった。

一方のピアースは決勝戦まで、まさに負け知らずだった。大会初日に優勝候補筆頭のクレイステルスを破り好スタートを切ると、その後もデメンティエワ、モレスモを相手に3連勝し、黒組の1位で準決勝へ進出した。準決勝でも、年末ランキング1位を決めたL・ダベンポート(アメリカ)との7-6(7-5), 7-6(8-6)の1時間47分に及ぶ接戦を制し、わずか10本のエラーに対し40本ものウィナーを決めるパワフルな試合展開で決勝へ駒を進めていた。だが決勝戦では互角の試合をしながら、わずかな差で勝利を逃した。「今日の決勝戦は持てる力をすべて出し切ったわ。私が勝つ日じゃなかっただけね。今日のモレスモは集中力が違った。予選で戦った時より確実に良いテニスをしてきたし、彼女自身そうしなければ勝てないのを知っていたはず。それを攻撃的に実行したのよ。さすがだわ。」と、決勝戦でのモレスモが更にレベルアップしていたことを認め、素直に賞賛した。

30歳のピアースは今季中盤からまさに復活劇と言わせるほどの好調ぶりだった。今大会を含めこれまでの33試合中29試合で勝利を収め、全仏オープンとUSオープンで決勝へ進出し、ティア1では2度の優勝を上げていた。予選のデメンティエワからの勝利が自身通算500勝目の記録となり、「これで引退してもいいわ。もう17年もツアーを回っていて500勝だなんて、我ながら誇りに思う。」と、冗談を飛ばしていたが、決勝戦後には「どんな敗戦も辛いけど、こんな接戦を演じた決勝戦は特にね。これでこれからのオフのトレーニングにより一層力が入るわ。次のシーズンで安定したプレーができたら、来年の年末はどうなっているかしら。私の本当の目標はランキング1位。来シーズンが自分でも楽しみ。」と、まだ進化し続ける自分を実感し、引退どころか来年への抱負を語っていた。

今大会では、優勝争いの他にダベンポートとクレイステルスのどちらが年末ランキング1位になるかの話題を呼んだ。クレイステルスが予選敗退という波乱が起こると、準決勝進出を果たしたダベンポートが自身4度目となる年末ランキング1位を確定。「4回目だなんて信じられない。昨シーズンを1位で終えた時は、またこうして1位でシーズンを締めくくれるなんて思ってもいなかった。」と、ダベンポートは自身の偉業を実感していた。2連覇を狙っていたシャラポワも、予選ではダベンポートを6-3, 5-7, 6-4の接戦で下し、見事緑組1位で準決勝へ進出していたが、優勝したモレスモを前にその夢は果たせなかった。

緑組を予選1勝2敗の3位で敗退したものの、P・シュニーダー(スイス)は年末ランキングを7位と自己最高位で終わらせることができた。緑組では1勝2敗だったN・ペトロワ(ロシア)がセット率で4位に終わったが、年末ランキングを9位と初めてトップ10フィニッシュで締めくくった。黒組では1勝2敗で3位となったクレイステルスが2003年に続いて2度目のランキング2位でシーズンを終えた。0勝3敗で4位になったデメンティエワは、ランキング8位と3年連続のトップ10入りで2005年を終えた。

ダブルスの決勝もシングルス同様、大接戦の逆転劇となった。第2シードのL・レイモンド(アメリカ)&S・ストザー(オーストラリア)組が、ライバルのトップ・シード、C・ブラック(ジンバブエ)&R・スタブズ(オーストラリア)組を6-7(5-7), 7-5, 6-4で下し、USオープンを含む今季5度目のタイトルを獲得した。

第1セットはすべてサービス・キープで両ペア譲らないままタイブレークへともつれ込んだ。5-5と進んだところで、ストザーのサービスをミニ・ブレークし、レイモンド&ストザー組が第1セットを先取。第2セットでも第4ゲームで再びストザーのサービスをブレークし5-2とリードを広げたが、そこからレイモンド&ストザー組が5ゲームを連取して1セット・オールに。勢いに勝るレイモンド&ストザー組は第3ゲームでブラックのサービスをブレークすると、第10ゲームでレイモンドがサービスをキープし試合に終止符を打った。レイモンドは50個目のダブルス・タイトルを獲得し、50勝を達成した12人目の選手となった。ストザーはこれが7個目のタイトルとなった。

ブラック&スタブズ組はスタンフォード、チューリッヒ、フィラデルフィアに続く4度目の優勝を狙っていたが、いま一歩届かなかった。レイモンド&ストザー組との対戦は5戦中4敗と負け越している。しかしブラックは、これで自身初めて年末ダブルス・ランキング1位でシーズンを終えることとなった。

土曜日行われた準決勝では、レイモンド&ストザー組はC・マルティネス(スペイン)V・ルアノ=パスクアル(スペイン)組を7-5, 5-7, 6-3の接戦で下し、ブラック&スタブズ組はE・リホフツェーワ(ロシア)V・ズヴォナレーワ(ロシア)組を6-4, 7-6(7-4)で下していた。

WTAツアー終了。振り返ってみると…

キム・クレイステルス
昨年の怪我から完全復帰のクレイステルス
画像提供:Getty/AFLO

これで女子の2005年のツアーが終了したわね。ダベンちゃんが4度目の1位の座を獲得しての結末。ツアー・レポートにもあるように、彼女はこの結果にもちろんご満悦。年末ランキングを1位で終えた回数はS・グラフの8回が最高で、M・ナブラチロワ(アメリカ)の7回、C・エバート(アメリカ)の6回に次ぐ快挙だとか。まだまだ若手に負けずに、来年も頑張ってちょうだいね!

それにしても最終戦でキムがちょっと元気がなかったわ~。でも、彼女は今季のレギュラー・シーズンのポイント・レースだったポルシェ・レースでダベンちゃんの4606ポイントをわずか59ポイント抜いてトップだったの。その栄誉を称えてポルシェから最新のPorche Cayenne Sが贈られたの。おめでと~!考えてみたら彼女、すごかったのよね。去年の後半は左手首の怪我でほとんどプレーできなくて、今年の序盤もまだ引きずってたの。その彼女が今年最初にツアーに出場したのが2月下旬にあった地元アントワープの大会。その時は準々決勝でヴィーナスに負けちゃって、3月にはランキングが134位まで下がってたのよ!夏のアメリカ・シリーズでは3つの優勝を上げ、その後のUSオープンでも優勝して獲得賞金を2倍にしちゃうボーナスをもらって、ついにはツアー・ベストの9勝を上げて2位にまで上り詰めたのは、本当に立派。「今年は信じられない1年だったわ。2005年の始めはまさか自分がランキング2位でシーズンを終われるなんて想像もできなかった。この結果は来シーズンへ向けてさらに上を目指す意欲につながるわ。」って、また世界1位奪回への野望さえ語ってたわ。

今年はかつての世界1位の選手が嬉しい活躍を見せた年でもあったわね。キムと共にベルギー旋風を巻き起こしながら、病気と怪我に泣かされていたエナンが全仏オープンでの優勝で見事復活。それからウィリアムズ姉妹も二人とも怪我に泣かされて満足にプレーができなかったけど、全豪オープンでセリーナの見事な優勝。なかなか勝てなかった姉ヴィーナスのウィンブルドンでの快挙!決勝のダベンポート戦は決勝戦としての最長記録を更新する熱戦だったわね。来年もしっかり怪我を治して、また輝く姿を見せてね!!!

10代の若手の活躍も忘れちゃならないわね。ま、代表格としてはもちろんシャラポワになるけど、彼女も今季はグランド・スラムでの優勝こそなかったけど、安定したプレーぶりで8月には念願のランキング1位の座に就いたし、堂々の4位でシーズンを終了したわね。外せないのは、後半3大会連続優勝を上げて一気にランキングを自己最高位の15位にした若干16歳のN・バイディソバ(チェコ共和国)。昨年末の77位から一気にランクアップ。ツアー初優勝を上げた18歳のA・イバノビッチ(セルビア・モンテネグロ)も97位から16位へと急成長。それから今季2勝を上げ現在自己最高位の20位にいるD・サフィーナ(ロシア)。ほかにM・キリレンコ(ロシア)S・ミルザ(インド)S・カラタンチェバ(ブルガリア)S・ポン(中国)M・クライチェック(オランダ)などなど。来年は日本の森田あゆみちゃんあたりがグッと登場してくれたらPinkyも筆が走るんだけどな~~~。

これからわずかなシーズン・オフだけど、しっかりトレーニングや治療にあてて、来年はもっと怪我人が少なくなって、数々の接戦が見たいものだわ。See you ladies again in 2006!!!

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