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(アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス)
開催まであと数時間と迫ったWTAツアー・チャンピオンシップで、最も優勝に近いとされる3人が、その意気込みを語った。
今季USオープンを含む9タイトル獲得と抜群の成績を残しているK・クレイステルス(ベルギー)は、年初を振り返ると実はテニス人生が終焉するのではないかとすら危惧されていた。去年の大半を棒に振った左手首の怪我がなかなか治らず、復帰が危ぶまれていたからだ。
しかし、春以降奇跡的な復活を遂げると、以前の強さを取り戻すだけでなく念願のグランドスラム・タイトルまでも勝ち取った。
「復活したときから、この大会には是非出たいと思っていた。そしてそれが実現した。これで3回目の優勝ができれば、もう申し分ないわ。」とクレイステルスは最終戦に対する意気込みを語った。
「何度も繰り返し言ってきたけど、何かが起こるときは必ず理由があるものよ。去年怪我をしたとき、人生最悪の事態が起きたと思ったけど、今振り返ってみると人生で最高の経験ができたと思っているわ。」とこの2年間の軌跡を振り返る。「もうテニスは一生できないかもと思ったこともあったわ。でもそんなことがあったおかげで、人間的な成長ができて、今の自分に至っているんだと思うの。」
このように怪我を克服して最終戦に優勝候補の一人として臨むこととなったクレイステルスの影には、グランドスラムで優勝を飾っていながら依然怪我に悩まされ、最終戦には参加しない3人の選手(全豪オープン優勝のS・ウィリアムズ(アメリカ)、全仏オープン優勝のJ・エナン=アルデンヌ(ベルギー)、ウィンブルドン優勝のV・ウィリアムズ(アメリカ))がいる。
「グランドスラムの女王3人が登場しないのはちょっと寂しいわ。」と、世界ランキングトップで最終戦に挑むL・ダベンポート(アメリカ)は語る。
南カリフォルニア出身で、地元の大会では安定して好成績を残すダベンポートだが、ロサンゼルスで開催される最終戦では10回出場しているにもかかわらず、99年に一度優勝するにとどまっている。
「来年からマドリードに移るので、その前に地元で最終戦に優勝したいわ。これまでの分も取り戻すくらい、今年はがんばるつもりよ。」と闘志を露わにした。
もし今大会で優勝すれば、ダベンポートは2年連続で年末ランキングを1位で終えることとなる。もしクレイステルスが優勝すれば、今年度年末ランキングトップはクレイステルスのものとなる。
「もちろん一つのゴールとして、やる気を出させてくれるわ。でも仮にキム(クレイステルス)にランキングトップの座を譲ったとしてもがっかりはしないわ。だって彼女はそれに見合うだけの活躍をしているのだから。」
世界ランキングNo.1と言えば、今年夏にダベンポートを抜いて初めて頂上に立ったM・シャラポワ(ロシア)は、このところ故障が続いていたが、それも完治し、タイトルの防衛に意気込む。
「自信はあるわ。このところ練習でも調子がいいし、みっちりトレーニングを積んでいるから。怪我が続いたけど、でもそれもポジティブに考えるようにしている。今の自分が持てるものを全て出すように心がければ、必ず見返りがある、来週じゃないかもしれない、来年かも知れないけど、きっと。」と自分の言葉をかみ締めるかのように語った。