(オランダ、ロッテルダム)
これまでリュビチッチにはなにかと苦戦を強いられてきたフェデラーだが、いざ決勝の舞台になってみると、自らがトップ選手であることを証明して見せた。
賞金総額100万ドル(約1億500万円)のABNアムロ国際テニストーナメント、日曜日の決勝戦でR・フェデラー(スイス)がI・リュビチッチ(クロアチア)に5-7、7-5、7-6(7-5)で逆転勝利を収め、今季ツアー2勝目を上げた。それも、先月のドーハの大会に続き、決勝でリュビチッチを下しての優勝である。これでフェデラーは自身24回目のツアー優勝を収めたことになり、全豪オープンでサフィンに敗戦した1敗を除けば32戦中31勝目で、リュビチッチとの対戦成績も5勝3敗に伸ばした。
「イバン(リュビチッチ)とはタフな試合になると覚悟はいつもしてるけど、この間のドーハの6-3,6-1のような簡単な試合になって欲しいと思っていた。でもインドアだと彼は動きもよくてブレークしにくくなる。」とフェデラーは語った。
現在23歳のフェデラーは、今季の成績を15勝1敗にし、また決勝での連勝を15に伸ばした。2003年から決勝では負け無しというのは、大会オープン化以来の記録である。
一方、25歳のリュビチッチは今季3度目の決勝進出だったにもかかわらず、自身2回目のツアータイトル獲得はお預けとなってしまった。これまでのリュビチッチの決勝戦の成績は1勝4敗となっている。
試合後のインタビューでリュビチッチは、「誰が優勝するのにふさわしいかと聞かれたら答えにくいけど、テニスでは必ず誰かが勝者になる。今日は彼(フェデラー)に軍配が上がったけれど、僕は今日のプレーと今週の大会での出来に大方満足しているよ。」とコメントした。
第1セット5-5で、フェデラーは今大会初めてのブレークを許してしまい、そのままセットを落とした。しかし、第2セットに入るとフェデラーのプレーにキレが戻り、セットオールに戻す。第3セットではリュビチッチ、フェデラーともに一歩も引かない試合展開で、互いにサービスブレイクを許すことも無く、タイブレイクに突入。タイブレイクではリュビチッチがミニブレイクを奪い4-2と先行するが、その後激しいラリーの末にフェデラーが巻き返しに成功し、2時間44分の大接戦に幕を下ろしたのだった。
辛くも勝利したフェデラーは「第2セットでは沢山あったチャンスを何とかものに出来た。タイブレイクまでは二人とも五分でどっちが勝ってもおかしくない状況だった。ただ最後は僕にツキが回ってきた。」と語った。
また、一方のリュビチッチは、「今日の試合は接戦だった。タイブレイクでは4-2で僕がリードしていたけど、彼は世界最高のテニスプレイヤーだし、あらゆる手を尽くして攻めてきた。第2セットからはブレイクポイントすらなかった。タイブレイクでは何とかリードしていたんだけど、第2セット以降は彼が一枚上手だったね。」と語った。
フェデラーは2001年の同大会決勝でN・エスクード(フランス)にフルセットの末に敗れているが、今回は自らの手でその悪夢を追い払ったのだった。