第131回 今シーズン、躍進した若手女子選手たち その1
彼女たちの共通点は前向きな姿勢と、精神的な成熟です
ユージェニー・ブシャール(カナダ)、マディソン・キーズ(アメリカ)、ローラ・ロブソン(イギリス)、モニカ・プイグ(プエルトリコ)、ミシェル・ラルシェル デ ブリート(ポルトガル)といった選手たちです。 ブシャールやキーズはこの秋、日本で開催された東レ パン・パシフィックやHPオープンでも素晴らしい活躍を見せてくれましたね。 インタビューして気づいたのは、成績を残し、勢いに乗っている若手選手の共通点は、まず気持ちが強いこと、そして、自分のやるべきことが明確に見えていることです。 ちょうどシーズン半ばくらいだったので、「今シーズンの目標--ランキングの上での目標やグランドスラムでの目標は決めていたの?」と質問したのですが、プイグだけは具体的な目標を設定していました。 彼女は昨年末のランキングが100位以下で、インタビュー時でもそれほど高いランキングではなかったのですが、「年末くらいには20位に入りたい」と言っていました。周りにいた人も「エッ?」という感じだったのですが、彼女は「トップ20を目標にしていたの」と力強く言いきったのです。彼女は実際、めきめきと力をつけ、今では40位台までランキングを上げてきました。 他の選手はランキングの上での目標は設定していませんでしたが、やはりプイグのように、やるべきことが明確になっているように見えました。だからこそ、ツアー生活にも集中できるのだと思います。いいエネルギーを出しながらトライしているな、というのを5人の選手たちから感じました。 キーズのインタビューも印象的でした。敗戦の直後のインタビューだったのですが、彼女は負けたあとにも関わらず、すごくさわやかな笑顔で--実は勝ったんじゃないかと錯覚するくらい、実際もう1回リザルトをチェックし直したくらい--まるで勝ったあとの選手のようなすがすがしさと希望に満ちた笑顔を見せてくれて、それが驚きだったからです。 若い選手は特に、敗戦の直後は悔しさがすべてを上回ってしまい、頭が整理できなかったり、必要以上に落ち込んでしまうことが多いのですが、彼女にはそれがありませんでした。「私ができることは全部コートで出してきたから」という感じで、コメントは前向きなものでした。 彼女たちのような若手有望選手というのは、メンタル的にはすでにトッププレーヤーの考え方に近いんだなというのをすごく感じました。 18歳(キーズ)、あるいは19歳(プイグ=インタビュー時)という年齢でありながら、精神的にマチュアである(成熟している)には、オンコートだけでなくオフコートでも、自分のテニスを整理することであるとか、自分という人間を知ることであるとか、そういう作業が絶対的に必要になると思います。 彼女たちが育った環境なのか、親との関係、コーチとのコミュニケーションの成果なのか、個々の事情はわかりませんが、どの選手もなんらかの形でそういうものを身につけていることに私は感銘を受けました。 ■バックナンバーはWOWOW TENNIS ONLINE(wowow.co.jp/tennis)「愛's EYE」へ! http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/special/aiseye.html ◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆ ★女子テニス国別対抗戦 フェドカップ 2013「決勝 イタリアvsロシア」 ・第1日 11月2日(土)夜8:20~[WOWOWライブ]※生中継 ・第2日 11月3日(日・祝)夜6:30~[WOWOWライブ]※生中継 ・総集編 11月16日(土)午後3:00~[WOWOWライブ] ★男子テニス国別対抗戦 デビスカップ 2013「決勝 セルビアvsチェコ」 ・第1日 11月15日(金)夜11:55~[WOWOWライブ]※生中継 ・第2日 11月16日(土)夜11:55~[WOWOWライブ]※生中継 ・第3日 11月17日(日)夜9:00~[WOWOWライブ]※生中継 ・総集編 11月30日(土)午後2:00~[WOWOWライブ] ■『W流 by WOWOW』(http://st.wowow.co.jp/b/49/) ~楽天ジャパンオープンテニスを振り返ろう!ダイジェスト動画を無料配信~
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