
マラット・サフィンのフォアハンドも、ナダルと同じコンパクト系で、意外にあっさり打つタイプだ。連続写真を見るかぎり豪快なハードヒットという印象を受けない。しかし、実戦でのラリーでは誰よりも攻撃力があり、本当に彼の調子が良いときは、打ち勝てる選手はまずいない。
それは、サフィンが誰よりも効率の良いボールを打つことができるからだ。つまり、非常に厚い当たりでありながらフラットすぎず、もちろんスピンもかかりすぎていない絶妙な球質。さらに、タイミングを早くして相手のスピードも利用しているため、スウィング・スピードが最速でなくても、(安定感を保ったうえで)超攻撃的なボールが打てるのだ。
けっして押し出す打ち方ではない
また、ライジングやフラットが得意なタイプは、昔なら手打ち気味の選手が多かったが、彼は違う。身体の回転も十分にあり、現代的なスピードアップの要素もきっちりと押さえている。インパクトまでは上体と腕がほぼ一体になって動いており、むしろ、あまり手を使っていないとも言えるだろう。
スピンをかける場合も、サフィンは小手先の動きを使わず、スウィング全体の下から上への動きで回転をかけている。そのため、ヘビースピンは打ちにくいが、そこは割り切って捨てることも大切だ。
いずれにしても、あまり振り回さなくても攻撃的なボールが打てるという面や、スピンをかけすぎないという意味では、アマチュアには(女子にも)大いに参考になるはずだ。