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DAVID NALBANDIAN
Vol.1ハードヒット全盛の中、異彩を放つ柔らかい打球

あえて全身を極端に使わず、手元でラケットをコントロール

いかに相手の体勢を崩すか

 ハードヒット全盛の中、ナルバンディアンは強打をあまり目的としていないように思われる。テニスはパワーを競うゲームではなく、 いかに相手の体勢を崩すかを競うゲーム。そのセオリーに則って、プレイしているフシがあるのだ。
 だから彼のテイクバックはそれほど大きくないし、腰や肩の回転もどちらかといえば抑え気味。またスウィング自体も控えめで、 ときには最後まで振り切らず、ハーフ・スウィングのような形でフィニッシュすることもある。全身を極端に使うようなハードヒットも少ない。 ただそれでも効果が十分にあるのは彼の戦績が証明しているところだ。
 ナルバンディアンは、フラット、スピンを自在に操って、自分が打ちたいボールを打ちたいコースに運ぶ。そうすれば、 得点チャンスに恵まれることを彼はちゃんと知っているのである。戦術眼とラケット・コントロールこそ、彼のテニスを成立させている最大の要素だといえる。

インパクト後ラケットをプッシュするようなナルバンディアンの両手打ち
控えめのテイクバックからボールを狙ったところに運ぶようなスウィングをするナルバンディアン。 威力よりも、コースやタイミングを重視する彼らしい両手打ちバックハンド。それでも効果は十分だ

ラケット・コントロールを高める秘訣

ラケット・コントロールを正確に行うには、自分の身体のブレを極力抑えるようにしなければならない。そのためにはテイクバックは控えめのほうがいいし、 また全身を使ったスウィングも避けるべき。ナルバンディアンはインパクト後もていねいにラケットをプッシュするようにスウィングして、コントロール性を高めている

(テニスジャーナル 2005年10月号)
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