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JUSTINE HENIN

Vol.4 リターンとストロークの差が少なく甘いサーブは確実に攻撃

グリップは厚いがフラットに打てる片手打ち

エナンは、女子では数少ない片手打ちバックハンドの選手で、フォアハンドには大きな自信を持っているため、当然リターンではバックを狙われることが多くなる。だが、彼女の片手バックは、コンパクトなテイクバックから打てるタイプであり、グリップもかなり厚いため、打点さえ正しくとれれば、速いボールに対してもボールに負けるということはない。また、これだけ厚いグリップながら、こぶしを突き出すような感覚でフラットに打てる点も、女子では貴重な存在だ。

できればフォアに回りこみたい

ただ、やはりフォアで打てる場合はできるだけフォアで打ちたい選手で、リターンでもセカンドサーブなどでフォアに回りこめるときは回りこんで高い打点から強打する。このあたりの感覚は、ストロークとあまり差はない。
バックハンドでは、高く弾むサーブを高い打点からフラットに叩くのはさすがに厳しいが、下段の連続写真のようにかなり高い打点でもトップスピンで打てるので、できるだけスライスを使わず、スピン系で打とうとしている。また、中にはどうしてもスライスでなければ返せないサーブもあるが、スピンとスライスを使い分ける判断力も、フェデラーと同様に優れているため、リターン全体に穴がない。サーバー側にスキがあれば、確実にブレイクしてくる選手だ。
ジュスティーヌ・エナンの後ろから見た片手バック・リターン
ベースラインの内側に立ってライジングをフラット気味に打ち返した場面。女子の片手打ちにしては、かなり小さい引きから打てるので、打点が遅れることもなく、厚いグリップで攻撃的にリターンすることができる。
ジュスティーヌ・エナンの高い打点の片手バック・リターン
こちらは、ほぼ顔の高さの打点で強引にリターンした場面。さすがにこの高さでフラットに打つことはむずかしいが、女性の片手打ちで、これだけ高い打点で、これほどしっかり振り抜けるというのは素晴らしいことだ。

(テニスジャーナル 2004年9月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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