「キュッパーマルゴーのリキラケってなに?」

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。

ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。

テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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いきなりクイズです。

FX500ツアー、グラフィン360+エクストリームツアー、Vコア98、Eゾーン98、ピュアストライク16×19、ピュアアエロVS、ブレード98 16×19 、エレベート98、CX200、ビースト98(黒黄色の旧タイプ)、XブレードBX305



上記のラケットの共通点はなんでしょうか?

答えは、すべてフェース面積98平方インチでウエイトが305gのラケットでした。
皆さんご存知の黄金スペックは、フェース面積100平方インチ、ウエイト300g、フレーム厚26mmのラケットのことですが、最近発売されたラケットに違う特徴があることに気が付きました。

ダンロップFX500ツアー、ヘッドグラフィン 360+エクストリームツアー、バボラピュアアエロVSのスペックは、フェース面積98平方インチ、ウエイト305g、フレーム厚23mmとまったく同じスペックなのです。

黄金スペックより-2平方インチ、+5g、-3mmなので、±0になり新しい黄金スペックとなる可能性があります。



以前の記事「騙されたと思って打ってみて、ラクラケはプラスが色々」で300g以上、100平方インチ以下のラケットを「リキラケ」と呼びましたが、まさにこのグループのラケットは「リキラケ」です。

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>>>GEEK通信「騙されたと思って打ってみて!ラクラケはプラスが色々」
https://bit.ly/2VOnImt
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他社のラケットを調べてみると、

ヨネックスEゾーン98:98、305、22
ヨネックスVコア98:98、305、22
ウイルソン ブレード98:98、305、21
ダイアデムエレベート:98、305、21.5
バボラピュアストライク16×19:98、305、23
ダンロップCX200:98、305、21.5
プリンスビースト98(旧モデル):98、305、25
ブリヂストンXブレードBX305:98、305、21

ほぼ同様のスペックが存在しているのです。

黄金スペックより、小さくて、重たくて、薄いラケットですので、間違いなく簡単を目指しているのではないことがわかります。

小さくすることで、スイートスポットの位置とスポットを外した感触がよくわかるようになります。

上級者になると、わざとスポットを外して打つことがあります。

スポットの先で打つことで、アングルショットが鋭角に入ったり、スポットの横で打つことでスライスサービスの切れが増したりすることを意識してプレーしているのです。

重たいメリットは、打ち負けなくなり、こちらからのショットの威力が増します。

ただし体力が無いと逆効果になります。

薄いラケットのメリットは、しなることと打球感にあります。

筆箱に定規とボールペンが入っている方は試してみてください。

フレーム厚の薄いラケットはボックス形状が多いので定規に見立て、フレーム厚の厚いラケットはラウンド形状が多いのでボールペンに見立てます。

定規はたわむけど、ボールペンはたわみません。



打球感の違いはペットボトルの飲み物で体感してみましょう。

中身が入ったものを用意し、蓋をグリップと見立て軽く何かを叩きます。軽くですよ。

中身が空っぽのもので、同じように行うと違いが分かると思います。
中身が入っている方が、低音でずしっと来るけど柔らかく感じませんか。

空っぽの方は、高音で軽い感じだけれど、手に振動が伝わりやすいように感じませんか。

ラケットの構造は薄いフレームも中身は中空(ダイアデムエレベートは中身にファームコアが詰まってます)になってますが、薄くて重たいものと、厚くて軽いものだと中空の度合いが大分違ってくるので、打球感に現れてくるのです。



上記の小さい、重たい、薄いをテーマにしたラケットを実際に試打していきましょう。

※CX200、ビースト98、XブレードBX305は旧モデルのため、試打はしていません。
※尚、ビースト98(黒赤)のニューモデルはウエイトが300gに変更になっているため、このグループに入れていません。



4ゲーム先取のダブルスを8試合行い1ラケット1試合で使いやすさを試してみました。
・FX500ツアー
・Eゾーン98
・グラフィン360+エクストリームツアー
・ピュアアエロVS
・ブレード98 16×19
・エレベート98
・Vコア98
・ピュアストライク16×19

ダブルスをより快適に楽しくプレーできた印象が強かった順番を列挙しました。
※あくまでも中居個人の見解です。

元々こちらのグループのラケット(リキラケ)は、楽しくより試合に勝てるをテーマにした中上級者をターゲットにしたアスリートモデルですので、ダブルスを快適に楽しくプレーできたからといって、そのラケットの性能を100%理解できたわけではありませんが、マイナスになることはないので参考にしていただければと思います。

FX500ツアーは、パワーがあり、サービス、ボレーの威力がとても良かったです。
衝撃吸収がよく、パワー系ラケットとは思えないソフトな打球感でした。



オンラインショップページ(FX500ツアー)はこちらへ
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Eゾーン98は、なんでもこなせる完成されたラケットですが、今回の試打でもその良さを実感しました。リターン時の、沈める、ロブ、ストレートアタックどれもミスなく打てました。



>>>オンラインショップページ(Eゾーン98)はこちらへ
https://bit.ly/33HYNV8
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グラフィン360+エクストリームツアーは、回転の切れはナンバー1です。特に、サービスのスライスはスピードが落ちずに曲がります。



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ピュアアエロVSは、私のように遅いスイングでは太刀打ちできません。ポテンシャルの高いラケットですので、スイングスピードが速い攻撃的なプレーヤー向きです。(フラット系のサービスの威力はあったのですが、私には小技ができませんでした。)



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ブレード98 16×19 は、一番重量を感じました。バランス320mm(エレベート、ピュアストライクも320mm、その他は315mm)と、今回試打した中ではトップヘビーで、私のプレーでは振り遅れが目立ちました。ですがフレームのしなりがあるので、ストロークの打ちやすさを感じました。



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エレベート98は、まったく他とは違う打球感で、芯に当たった気持ち良さはナンバー1でした。ただ、ダブルスよりもシングルス向きのモデルのように感じました。ナチュラルガットを張ったら最高の打球感になる予感がしました。



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Vコア98は、想像していたよりも打球感を少し硬く感じ、Eゾーンとは対照的なラケットでした。ですがスピン系のボールに威力があるので、ストロークに自信のある方は、雁行陣でプレーすると良いと思います。



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※ブラックカラーもございます
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ピュアストライク16×19は、振り抜きが良く、切れのあるボールが打てる良いラケットです。(ボレーの柔らかいタッチが少し出しづらく、私のプレースタイルには合いませんでした。シングルスで使ってみたいラケットです。)



オンラインショップページ(ピュアストライク16×19)はこちらへ
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98平方インチ、305gのリキラケを使ってみて感じたのは

100平方インチ、300gの黄金スペックのようなパワーアシストはないものの、狙って打ったボールの方向、距離、回転のズレがなく、ここぞという場面での一発が裏切らずに入ってくれます。

ただし、十分な態勢を作らないとそれはかないませんので、体力、技力は必要になります。

黄金スペックだと、バックアウトが気になる方、自分のスイングでボールをコントロールしたい方、気持ち良い打球感を望む方はこの「キュッパーマルゴー(98インチ 305g)」のリキラケを使ってみてはいかがでしょうか。

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(2020年9月19日13時29分)
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