【ヘッド】「大変貌を遂げた赤いプレステージ5機種の全貌」

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「大変貌を遂げた赤いプレステージ5機種の全貌」

洗練された赤に、渋めの海老茶色を纏ったヘッドの新作プレステージ5機種をじっくり4時間かけて試打してみました。

先日、埼玉県のダブルスオフに参加しました。1試合ごとに、ラケットを変えながら試合をしていきました。

グラフィン360+プレステージS、プレステージツアー、プレステージプロ、プレステージMP、プレステージMIDの順番で徐々に難しいモデルになるようにセッティングしました。



まずはプレステージSですが、今作から30数年間続けていた扁平グリップをやめて丸型のグリップを採用しています。

個人的にはやっぱり丸型の方がしっくりきます、295gで99平方インチ、ストリングパターン16×19のやや扱いやすいモデルからスタート。


ん、これは私がこれまでに知っているプレステージではありません。

とにかく楽々で、飛びも良いし、回転もかかり、打球感もマイルドです。

やや縦長のフェース形状なのでサービスの振り抜きが良く、スライスの切れが良かったです。

ラケットに異常なこだわりを持つヘッド契約コーチのI氏が、選んだのもプレステージSでした。



次にテストしたのは、プレステージツアーで、305g、99平方インチ、ストリングパターン18×19のスペックです。

やや硬さはあるものの、飛びは悪くなく、プレステージSの295gだと少し軽く感じる方におすすめ。

今回、ストリングはベロシティマルチを一律48ポンドで張ってあり、プレステージSより面圧が硬いのでファーストボレーが浅くなることがありました。



3試合目は、プレステージプロを使用、315g、95平方インチ、16×19のモデル。

ラウンド形状とボックス形状の中間的な構造で、弾きが強くなっています。私はリターンでロブをよく使うのですが、球離れが速く、ミスが多くなりました。スイングの速い方が攻めていくラケットだと痛感しました。



4試合目に使用したプレステージMPは、今まで打った3本とは明らかに違うテイストのラケットでした。

320g、98平方インチ、18×20のスペックで、前作より3平方インチ大きくなっています。320gで18×20のストリングパターンですから、本来は難しいラケットのはずですが、打球感がソフトで食いついている時間が長く感じて、思った通りのショットが打てました。

後でラケットのしなりを計測してみると、RA値が前作から6ポイント下がって59(ギーク調べ)だったのです。

ちなみに、プレステージS 【67】
プレステージツアー【64】
プレステージプロ 【65】
プレステージMP 【59】
プレステージMID 【65】(ギーク調べ)

ですので、プレステージMPが特別柔らかいのが分かると思います。



最後はプレステージMIDだったのですが、対戦相手が地元の市民大会のチャンピオンの方で、プレステージMIDでは当然相手になりませんので、私の個人的なルールを曲げてプレステージSを使ってしまいました。

そのおかげで、そのゲームはなんとか勝つことができました。私にとって今日一番のショットも出ました。相手に打たれたショットがネットに当たり、力なくネット際に落ちました。ギリギリ届いて打ったボールが、今日一番なのですが、ドロップショットで返したボールが白帯でワンバウンドし、ポトリとほぼ真下に落ちてエースになりました。

バドミントンの桃田選手が得意とするシャトルをネットに当て、鋭角に下に落とすヘアピンショットのようでした。



おそらく次がラストゲームになるので、プレステージMIDを手にしたのですが、乱数表のあやで、再度チャンピオンとの対戦になりました。

相手のレベルが高く1ゲームも取れずに完敗です。93平方インチ、320g、16×19のハードスペックモデルで、久々にこんな難しいラケットを打ちました。
93平方インチは私にとっては小さかったです。普段115平方インチを使っていますので、ほとんど芯に当たりませんでした。

良かったのはサービスで、高い打点から打ち下ろす感覚があり、アドコートからワイドに打ったサービスが鋭角に決まり、エースになりました。



今回打ったプレステージは二つに分類できると思います。


①本格的プレステージの真髄を味わえる、MIDとMP。

②赤い快適ラケットのプロ、ツアー、S。

後者はプレステージ好きの方からすると、プレステージじゃないかもとコメントされる可能性がありそうですが、個人的にはこちらの方が使い勝手がよく、特に「S」はダブルスを極めたい方におすすめです。

「プロ」は、プレステージの歴史を知らない学生さんに向いています。95平方インチのラケットのカテゴリーがあるならば、全メーカーの中でも1番2番の出来ではないでしょうか。

「MP」は、昔のプレステージが好きだった方におすすめです。この独特なホールド感は他には見当たりません。

今までのプレステージは一部のコアなファンに向けたラケットでしたが、今作はすべてのプレーヤーが5機種のうちのどれかに満足いくような作りになっています。

1機種を打ってすべてを判断しないようにしてください。
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(2020年1月24日12時10分)
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