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フォアハンド編

Vol.3 上級者への道 フォアハンド編 上巻

前提の技術 グリップ

では、ここからは、具体的な各論に入っていこう。上巻では、基礎となる「前提の技術」を中心にして、「サナギの技術」に関しては下巻で解説する。まずここでは、グリップの前提について考えていこう。

振り切るテニスならセミウェスタン以上

かつてはイースタングリップ(写真下参照)が標準と言われた時代もあったが、現代では状況はかなり変わってきている。今は「振り切るテニス」が主流となっているので、プロの世界では完全にセミウェスタン以上の厚めのグリップが標準になっている。ジュニアや大学生などの世代では、セミウェスタンよりウェスタンのほうが多いぐらいだ。
したがってアマチュアでも、振り切るテニスを目指したいならセミウェスタン以上にしたほうが良いだろう。また、これ以降の内容も、少し厚めのグリップの振り切るテニスを前提に話を進めていくことにする。

上はフォアハンドの代表的なグリップ3種類を示したものだが、現代の標準はセミウェスタン程度となっており、ハードヒッターではより厚くなる傾向がある。薄いグリップが好みならイースタン程度までで、それより薄いコンチネンタルは振り切るテニスには向かない。ただし、初めは厚すぎず薄すぎず、あまり極端なグリップにしないほうが良い。

最初は厚すぎず、薄すぎず

 ただし、最初はあまり厚いグリップにしないほうが良い。その理由は2つ。ひとつは、初期の段階(あまりボールを強く打たないレベル)では、薄めの握りのほうがボール・コントロールがしやすいから。もうひとつは、上達していくうちに無意識のうちにグリップが厚くなっていくことはあるが、逆に薄くなっていくケースは少ないからだ。
 初心者の場合は、あれこれ考えず、手のひらとラケット面がほぼ同じ向きになるようなグリップにすれば良いだろう(これがイースタンからセミウェスタンぐらい)。そこからスタートして、自分に合った握りを探していこう。その過程でアウトが恐くて振り切れない場合は、少し握りを厚くしてみれば良いし、逆にトップスピンがかかりすぎて当たりがかすれてしまう場合は、少し薄くしてみれば良い。
D.ハンチュコバのセミウェスタン・グリップのフォアハンド
これはイースタン・グリップの例だが、下のウェスタンの場合とフォーム的な違いは意外に少ない (スウィング・スピードの違いはある)。とくにハンチュコバの場合、手首を少し甲側に曲げているため、 グリップを厚くしたのと同じ効果が生まれているという面もある。一般的にもセミウェスタン以上であれば、技術的な違いはそれほどないと言える。
A.モレスモのウェスタン・グリップのフォアハンド
こちらは現代的なハードヒッターのフォアハンドで、グリップはかなり厚いウェスタンだが、トップスピンをかけすぎることなく、状況によってはフラットに叩くこともできる。このように豪快に振り抜くテニスをしていると、無意識のうちにグリップが厚くなる傾向があるが、意識のうえではあまり厚くなり過ぎないように注意したほうが良い。

肘や手首でもグリップの感覚が変わる

 グリップに関しては、前項で説明した握りの厚さの他にも、個性の違いが出る要素がある。そのひとつが、腕とラケットの角度(写真下参照)だ。この部分で角度をつける人は、打点も前になって厚いグリップの感覚に近くなり、手首を伸ばし気味にする人は、逆に薄いグリップの感覚に近くなる。つまり、同じ握りの厚さでも、腕とラケットの角度によって打点の位置が違ってくるわけだ。
また、打点に関しては、握りが薄いほど後ろめになって身体から離れ、握りが厚いほど前めになって身体に近づく傾向があるが、基本的にはグリップによってそれほど大きく変わるわけではない。十分にボールに力を伝えるためには打点は身体の前にするほうが良いが、厚い当たりで打つためにはボールの引きつけも大事になるので、最適な打点というのは自然に集約されてくるからだ。
 その他にも、手首の曲げ方や、肘を伸ばし気味にするか曲げて打つかといった違いもあり、グリップに関しては、自分の感覚に合うかどうかという選択が大事になる。

左●グリップの厚さが同じ(ここではセミウェスタン)でも、上から見たときの腕とラケットの角度には、個性が表われる場合がある。
角度をつけるタイプ(上)は、インパクトで腕を前に突き出すような形になり、その分打点が前になる。それに対して角度をつけないタイプ(下)は、打点が少し後ろめで、身体から(横方向に)離れる傾向になる。

J.カプリアティのセミウェスタン・グリップのフォアハンド
テイクバックの時点(1)で腕とラケットの角度をつけ、そのままの形を維持してスウィングし、インパクトでも腕を前につき出して後ろからの支えを強くしている。手首を緩めずに厚い当たりでボールを押し出している点も、攻撃的に打つためのポイントと言える。また、下のアンチッチと比べると、肘を伸ばし気味にしている点も特徴的だ。
M.アンチッチのセミウェスタン・グリップのフォアハンド
こちらは上の例と比べると腕とラケットの角度が浅く、打点もやや後ろめ。また肘は逆に曲げ気味で、脇を締めた打ち方になっている。ラケットの支えという意味では、カプリアティのようなタイプのほうが強いが(腕力のある男性には影響は少ない)、こちらのタイプのほうが柔軟性があり、ショットのバリエーションは増やしやすいだろう。
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「前提の技術 グリップ」>>

(テニスジャーナル 2003年5月号)
© SKI Journal Publisher Inc.

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