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ジョコに年間GS達成者が太鼓判

男子で世界ランク1位のN・ジョコビッチ(セルビア)は、全豪オープンと全仏オープンを制したことで、残るウィンブルドンと全米オープンで優勝し、1969年のR・レーバー(オーストラリア)以来となる年間グランドスラム達成が現実味を帯びてきており、それは可能だとレーバーは感じている。

レーバーはアマチュア時代の1962年にも年間グランドスラムを達成しており、その後プロとして1969年に年間グランドスラムを達成し、男子プロテニス史上唯一その偉業を達成した選手となった。

レーバーは「ジョコビッチはそれを達成する可能性が大いにある。そして自分自身もそれを見てみたいと思っている。もし彼が年間グランドスラムを達成したら、それは多大な功績になるだろう。」とレーバーは語っていた。

ジョコビッチはその偉業達成まであと半分の道のりにいる状態で、27日から開幕するウィンブルドンへ臨む。

今季2度目のグランドスラムである全仏オープンで初優勝を飾ったジョコビッチは、その優勝で生涯グランドスラムを達成。さらに、グランドスラム4大会連続での優勝も飾った。

そして、同じシーズンに全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンを制する年間グランドスラムという、より一層希な偉業達成も見えてきた。

ロケットのニックネームを持つオーストラリア出身のレーバーは、47年前にその偉業を達成した最後の選手である。

レーバーが年間グランドスラムを達成した時は、リチャード・ニクソンがアメリカ大統領に就任し、ビートルズが12作目のシングルスとなるアビー・ロードを発売しようとしていた時で、ニール・アームストロングが人類として初めて月に一歩を踏み出した頃だった。

「それを達成した時は、本当に興奮したのを覚えている。」とレーバー。「グランドスラムで優勝するんだと考えてテニスを始めてはいなかった。その頃は、グランドスラムにエントリーしたんだ。そこで戦うだけだとしか1969年の時は考えていなかった。妻にも全ての大会に出場するんだとしか言っていなかった。」と、その時の想いを語った。

その左腕から放たれるパワフルなストロークで知られたレーバーは、ウィンブルドンで4度、全豪オープンで3度、全仏オープンと全米オープンはいずれも2度の優勝を飾っていた。加えて、男子ダブルスで6度、ミックスダブルスでも3度のグランドスラム優勝を持っている。

彼は更なるグランドスラム優勝を達成出来たと言われている。全盛期だった1963年にプロへ転向したレーバー。当時、グランドスラムはアマチュアしか出場が許されていなかった。その後、1968年にオープン化され、再びグランドスラム大会へ出場し始めたが、5年近くグランドスラム大会に出場していなかった。

1969年の全豪オープンの時、レーバーは妻の妊娠を知り、出産が全米オープンの決勝戦頃になる予定だった。

「それが全ての始まりだった。その時の自分のプレーには満足していた。怪我や病気をしなかったのは、ただただ幸運だった。それには助けられた。」とレーバーは当時を振り返った。

幸いなことにレーバーの息子のリックは、全米オープンで優勝し年間グランドスラムを達成した3週間後に生まれた。

それ以来、年間グランドスラム達成に近付いた選手はほとんどいなかった。今年のジョコビッチまでは、1988年のM・ビランデル(スウェーデン)と、1992年のJ・クーリア(アメリカ)しか全豪オープンと全仏オープンを続けて優勝していない。

テニス史上では、女子テニスのS・グラフ(ドイツ)が1988年に年間グランドスラムを達成した最後の選手となっている。

現在女子世界ランク1位のS・ウィリアムズ(アメリカ)は、昨年その偉業達成に限りなく近付いていたが、全米オープンの準決勝でR・ビンチ(イタリア)にまさかの敗戦を喫していた。

レーバーは「ちょうど良いタイミングで最高のプレーが出来たのは幸運だったと言える。何かを成し遂げるには、そうでなければならない。セリーナはそのチャンスがあったものの、全米オープンの準決勝では、そこそこのプレーしか出来なかった。」

「プレッシャーが強かったのか、何があったのかは、私が知るよしもない。彼女が緊張してしまったのか?単に悪いプレーをしてしまったのか?対戦相手が想像を越えたプレーをしたのか?いずれにせよ、彼女は負けてしまった。」と思いを述べていた。

現在77歳のレーバー。今はゴルフはするものの、テニスをするにはもう体がついていかないと言う。

「手首がボロボロなんだ。テニスをしたら、かなりの痛みが走ってしまう。テニスをしたいとは思う。上手く出来なくても構わない。」とレーバーは、想いとは裏腹に肉体的にテニスをするのは厳しくなってしまった現状を明かしていた。

ジョコビッチが全仏オープンで優勝を飾った時、レーバーは会場で観戦していた。ウィンブルドンにも風邪が治れば行くかもしれないと語る。全米オープンには、自叙伝の発売も兼ねて会場に訪れるつもりでいる。

ジョコビッチについてレーバーは「素晴らしいテニスをしている。抜群の安定感と、深く重みのあるストロークを持っている。短いボールから相手に主導権を握らせることはしない。ボールが深いと、相手はあまり思うようなプレーが出来ないから。」と、分析していた。

レーバーは、きっとジョコビッチにもプレッシャーがのしかかるだろうと言う。そして、ウィンブルドンでも全米オープンでも、ドローが鍵を握るとしている。

「厳しい挑戦になるはず。唯一彼も私も心配することは、7試合を戦い抜かなければならないこと。その全てを勝たなければならない。でも、彼がその偉業を達成することは可能だと感じている。」とレーバーはジョコビッチの年間グランドスラム達成へ太鼓判を押した。

(STATS - AP)






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