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2007年9月に自己最高位の世界ランク5位を記録したA・チャクエタゼ(ロシア)は、ここ数年は数々のトラブルに悩まされたが、特に今シーズンは内耳疾患からの目眩に襲われ、シーズンのほとんどを棒に振ってしまった。回復した彼女は、2012年へ向けて新たな闘志を燃やしている。
ブレークの年となった2007年には4大会で優勝を飾り、USオープンでは自身初となるグランドスラムでのベスト4入りを果たすなど、かつてはロシア勢力の一角を担っていたチャクエタゼ。今季の初めは、再びトップ10への返り咲きを目標にスタートさせていた。
そんな彼女に異変が襲ったのは2月に出場したドバイ大会だった。初戦を突破し2回戦で世界ランク1位のC・ウォズニアキ(デンマーク)と対戦。第1セットを6ー1の圧勝で先取するも第2セットから徐々に体調に変化を来たしコートに倒れ込むと、試合続行が不可能な状態となり途中棄権を余儀なくされた。
「ドバイで体調が悪くなるまでは、とても好調でした。やっと自分のプレーを楽しめるようになったところでした。良い感触でボールを捉えられていたし、かつての自分のテニスを取り戻していて、戦う姿勢も出来ていたのです。そんな時に病気になってしまったのです。」
「詳しい検査の結果、耳に炎症が見つかり、それが目眩と関係していることが分かりました。しばらく治療に専念していましたが、完治するまでこれほど時間を必要とするとは想像もしていませんでした。それでも回復へ向かい完治した時には、既にシーズンも終わりを迎える頃だったのです。ですから、新しいシーズンが始まるのを待って復帰をしようと決断しました。」
「もちろん、とても残念なシーズンになってしまいましたが、健康が何より大切です。今は100%健康です。もう目眩に悩まされずにいます。すっかり完治したのです。新しいシーズンでは、良い事が起きてくれることを祈ります。」
今年はほとんど大会へ出場していないチャクエタゼの現在のランキングは232位にまで下がってしまった。そんな彼女は、怪我や病気でツアー離脱を余儀なくされた選手への特別措置である、プロテクト・ランキング・システムを利用して開幕戦から出場を予定している。
「特別措置のランキングで、最大8大会まで出場できます。来年の序盤はそれを利用して試合に臨んで、様子をみるつもりです。1月2日にモスクワを出発して、オーストラリアへ飛びます。スタートはホバート大会にしています。思い出の多い大会です。厳しい試合ばかりだと思いますが、今は失うものがないので全力で戦います。」
「世界のレベルで戦うだけのトレーニングを長い間していなかったので、肉体的にかなり厳しくなるでしょう。まだかつてのような練習量はこなせません。それでも今は、復帰への強い思いがあります。またテニスをして、試合もやりたいのです。モチベーションを取り戻しました。」
そんな彼女ではあるが、ツアーから離れていた間に政治の世界へ足を踏み入れていた。先日ロシアで行われた選挙にも立候補しており、惜しくも当選とはいかなかったが、復帰を決めた今でも深い関わり合いを持っていると言う。
「ツアーから離れている間に、テニス以外の何かにチャレンジしてみたかったのです。以前から政治には興味があったし、数年前に政界への話があったら、そうしていたかも知れません。今もロシアの正義党での仕事をさせて頂いています。新しい出会いもあり、充実しています。違う世界への挑戦もとても刺激的でした。」
と、政界の事を語るチャクエタゼだったが、今はプロとしてのツアー復帰を最優先に感じている。「正義党から仕事を依頼されても、現在は最優先にしているのはテニス。今は毎日コートに立って練習に明け暮れています。今の私にとってテニスが一番なのです。」
モスクワ大学で心理学を専攻していたチャクエタゼ。怪我や病気を乗り越えた今は、再び世界の舞台への返り咲きを狙う。
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