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ナダルの「最も感傷的な」シーズンを振り返る

日曜日に行なわれたツアー最終戦の決勝を制したR・フェデラー(スイス)は、その対戦相手であったR・ナダル(スペイン)の休暇が残念なものになるやもと心配した素振りを見せていたが、その心配はなさそうだ。

仮に日曜日の敗戦がナダルを傷つけていたとしても、ナダルはこれまでで最高の成功を収めたシーズンを振り返ることによって自らを慰めることが出来る。

今季のUSオープンで優勝したことにより、史上7人目となる生涯グランドスラムを達成したナダルは「今日は自分のベストを尽くした。だけど、彼は僕より素晴らしいプレーをしていた。」とコメントしている。

24歳のナダルは今シーズン、7大会で優勝を飾っている。クレーシーズンには、モンテカルロ、ローマ、マドリッドとマスターズ3大会と全仏オープンを制し「クレースラム」を達成すると、ウィンブルドンとUSオープンでもタイトルを獲得。さらに、今年が初出場となった楽天ジャパン・オープンでも優勝した。

9月までにナダルは、上位8人しか出場できないツアー最終戦の出場権を獲得し、さらに年度末ランキング1位の座も確定させた。まさに、かつて絶対王者と呼ばれたフェデラーがしたように、圧倒的なシーズンを過ごしてきたといえる。

日曜日の決勝後のオンコート・スピーチでフェデラーは「この試合の後でも、彼の休暇が損なわれたとは思いません。なぜなら、彼は全ての選手が憧れるようなシーズンを送ったのですから。」とコメントしている。

そのナダルは2010年のシーズンを、ベストシーズンと語っただけでなく、「最も感傷的」なシーズンともしている。

昨年のツアー最終戦では、屈辱の3連敗を喫していたナダルは、今季序盤こそ好調なプレーを見せていたが、近年に悩まされている膝の故障のために全豪オープンでは準々決勝で棄権していた。

モンテカルロ・マスターズで11ヶ月振りとなるツアー優勝を果たしたナダルであったが、ナダルとしては優勝から遠ざかっていた最後の8ヶ月間がとても特別なものだったらしい。

「もし11ヶ月も優勝できない時や大変な時期を過ごしている時、トーナメントで勝つことが、そこに到達することが、そして毎週の大会に出場することがどれだけ難しいことか本当に理解できる。」

「だから最初に勝ち始めたとき、モンテカルロの最初の大会で全てが少し簡単に思えてきた。なぜなら、プレッシャーや心配事から解放されたんだ。そこからは本当に良いプレーをするようになったよ。」

さらにナダルは、準優勝に終わったツアー最終戦も成功した大会としている。大会期間を通して、大会会場であるO2アリーナのコートサーフェスを最も苦手と公言してきたナダルであったが、それでも準決勝でA・マレー(英国)を撃破し、その疲れが残っていながらも、決勝ではフェデラー相手にフルセットマッチを演じている。

「調子の良いロジャー・フェデラー相手に彼の得意とするサーフェスで対戦したんだから、それは負けるでしょう。僕にとって難しい決勝ではありましたが、1セットは奪えました。」

「だけど、それ以上に満足しています。自分が苦手とするコートで、トップ8のうち4人から勝利できたのですから。これは今までは決してなかったことだと思います。だから、僕にとってはとても良いニュースです。」

(2010年11月30日13時47分)
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