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2006年末特集「無冠の女王とは呼ばせない」:アメリ・モレスモ

A・モレスモ(フランス)
フランス、サンジェルマン・アン・レー出身

今季の成績
シングルス:51勝14敗 4タイトル (全豪オープン、ウィンブルドン)
ダブルス:12勝3敗 1タイトル
ランキング:3位(昨年末3位)

ジュニア時代から、アメリ・モレスモの類稀な才能は世界中のテニス関係者の誰もが認めるところだった。男子選手ばりの強烈なバックハンド、女子では珍しいサービス&ネットのスタイルは将来の女王をイメージさせるに十分だった。しかしそのパワフルなプレースタイルに反し、「優しすぎる」といわれる性格が仇となり、「大舞台で勝てない」「無冠の女王」などとこれまで揶揄され続けてきた。そんなアメリ・モレスモが、今年一気に大ブレークを遂げた。今回は今年もっとも輝いてた選手の1人であるモレスモの軌跡を追うことにする。

2005年末、常に好成績は残すもののビッグタイトルに手が届かないでいたモレスモに、テニス人生を変えるほどの大きな転機が訪れた。舞台はWTAツアーチャンピオンシップス。四大大会と並ぶツアー最大級の大会だ。これまで準々決勝や準決勝で敗退していたモレスモだったが、このとき初めてM・シャラポワ(ロシア)M・ピアース(フランス)といった強敵を次々と倒しタイトルを手にしたのだ。「(大舞台で)私は勝てないと言う人がいたのは知っていた。でも私はこうして勝つことが出来た。」ビッグタイトルを手にできないでいたモレスモが、大きなプレッシャーから解き放たれた瞬間だった。

そして迎えた2006年、モレスモは怒涛の勢いで連勝街道を突き進むことになる。まず全豪オープンでエナン=アルデンヌを下し初の四大大会制覇を達成(決勝はエナンの途中棄権という、モレスモにとっては不本意な形での勝利ではあったが、それによって優勝の価値が下がると感じたものはいなかった)、2月にはパリとアントワープで2連勝をあげる。そして3月にはクレイステルスから世界ランク1位の座を奪い女王の座に就くこととなる。迎えたウィンブルドンでは、得意のサーブ&ボレーを武器に、準決勝でシャラポワ、決勝でエナン=アルデンヌを下し、フランス人としてはスザンヌ・ランラン以来81年ぶりの優勝を果たす。優勝インタビューでは、「もう神経質になったりしません。」と語り観客を笑わせていたが、これはそれまでモレスモがいかに多くのプレッシャーを感じながらプレーしてきたかをあらためて認識させるものでもあった。

その後もUSオープンでベスト4、北京で準優勝、ツアー最終戦で準優勝と文句のつけようのない活躍をみせシーズンを終えた。年間最終1位の座こそエナン=アルデンヌに譲りはしたが、3月20日から11月12日まで(計34週=238日間)に渡って1位の座をキープし続けたのは立派だったといえよう。

「ガラスの心臓」と呼ばれてきたのはもう過去のこと。全豪オープン・タイトルの防衛をめざし、新生モレスモはすでに来季を見据えて動き出している。

(2006年12月8日13時54分)
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