フォア、バックともに両手打ちの
中村藍子は、同じプレー・スタイルであるM・セレスを尊敬し目標にしているという。5歳でテニスを始め、2001年の世界ジュニアランキング44位を記録、高校卒業と同時にプロとしてツアーを回り始めた。
順風満帆な船出に見えたがそこはプロの世界、甘くはなかった。世界の厚い壁に阻まれ、中村は2002年、2003年と主だった成績が残せずにいたが、昨年8月にアメリカのサーキットで初優勝を上げると、9月にはバリのティア3大会で予選を突破し、本選1回戦で第3シードの
杉山愛を破るなど頭角を現し始める。そして10月の国内のサーキットで自身2度目の優勝を上げると、ランキングも一気に上昇しトップ100まであと僅かのところまで迫る。
そして迎えた今シーズン、序盤こそオークランド、キャンベラと予選敗退を喫するが、大舞台の全豪オープンでは見事予選を突破し、本選1回戦を勝利で飾る快挙を達成する。その後、東レ・パンパシフィック・オープンでも本選1回戦で白星を上げ、ランキング99位とトップ100入りに成功する。しかし層の厚い女子テニスの世界で、100位レベルから更に上のレベルへ抜け出すのは至難の業。3月以降、中村もこの壁にぶち当たることとなる。3月、4月のアメリカ大会では予選を突破できず、全仏オープンでも初戦敗退となかなか結果を出すことが出来ない。しかし初めて臨んだウィンブルドンが中村の転機となる。誰もが緊張する大舞台で、中村は思い切りの良いプレーを見せ初戦を勝利で飾ると、続く2回戦では第9シードの
A・ミスキナと互角の戦いを演じてみせる。この試合、4-6, 3-6と敗れはしたが、世界のトップと互角に戦えたことが中村に大きな自信を与える結果となった。
7月からのハード・コートでその成果がすぐに出始める。まずシンシナティでは1回戦突破し、2回戦でトップ・シードの
P・シュニーダー相手にフルセットの接戦を演じる。続くロサンゼルスでも予選を勝ち上がり本選1回戦で第10シードの
F・ペネッタ(イタリア)を下す殊勲を上げる。惜しくも2回戦の対L・レイモンド戦はフルセットで敗れたもののその戦いぶりは、トップ50の選手と見間違えるほどだった。そして迎えたUSオープンでは見事2回戦進出。この時点で中村のランキングは74位まで上昇していた。
USオープン以降も中村の勢いは止まらない。 アジア・ツアーのバリで自身初のベスト8入りを果たし、北京では予選から本戦入りし、1回戦では格上ペネッタから再び勝利を上げる。ソウル、東京(ジャパン・オープン)でも初戦突破に成功し着実に勝ち星を重ねていく。この段階で世界ランキング65位をマーク。気づいてみれば1年前にはトップ100圏外だった世界ランキングが、トップ50に迫るところまでジャンプアップしていた。
その後は11月の全日本選手権にトップ・シードで出場しベスト8、今年最後の大会となるイザワ・クリスマス・オープンで貫禄の優勝を飾るなどその勢いは留まることを知らない。杉山、浅越に続く日本のエースとして、来シーズンの中村から目が離せない。