日本女子として最年少のプロ転向、WTAツアー本選デビュー、ランキング圏外から最高で313位まで上昇と、今年一年で
森田あゆみを取り巻く環境は目まぐるしく変化した。類まれなテニスセンスに恵まれた少女は今、世界への扉を開け、大きく羽ばたこうとしている。森田の昨年までの道のりと、今年の活躍を振り返る。
群馬県太田市に生まれ7歳の時にテニスを始めた森田は、その才能を高く買われ、
杉山愛が籍を置くパーム・インターナショナル・テニス・アカデミーで練習を始めることとなった。身長162センチ、体重56キロと、その小柄な体とは裏腹に、フォア・バックともも両手打ちから鋭いショットを放ち、コート狭しと走り回る機動力を誇る。2003年には全国選抜ジュニア・テニス選手権大会14歳以下で見事優勝を果たし、全国テニス選手権大会でベスト4に入り、その後ジュニア国際大会へ出場し始めた。
昨年は全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会で準優勝、アデレードでは単複優勝、直後のニュー・サウス・ウェールズでもダブルス優勝シングルス準優勝と好調を維持した。ジャパン・オープン・ジュニアでは準優勝、フィージーではまたも単複優勝を果たし、その後オーストラリアで2大会連続優勝と波に乗り、大阪でのダンロップ全日本ジュニア・テニス選手権大会18歳以下で優勝を果たし一躍脚光を浴びた。11月の全日本選手権では14歳8ヶ月でのベスト8入りが話題となり注目を集め、今年、日本人女子として史上最年少でプロへ転向し、ジュニア大会に出場するとともに本格的なツアー大会参戦をスタートさせ、世界中をまわり始めた。
今年のスタートは全豪オープン・ジュニアで3回戦敗退に終わった後、ティア1大会である東レ・パン・パシフィックに主催者推薦で予選出場したが、後一歩で本戦入りを逃した。その後、ジャパン・オープン・ジュニアで準優勝、韓国のジュニア大会でベスト4、岐阜のチャレンジャーでベスト8、福岡のチャレンジャーで準優勝を上げるなど上位進出を続け、その勢いでヨーロッパのジュニア大会へ向かった。ベルギーでは準優勝、そして全仏オープン・ジュニアでは見事ベスト4入りの大活躍を見せた。しかし、その後のウィンブルドン・ジュニアは1回戦敗退と精彩を欠く結果に終わった。
帰国後に出場した久留米のチャレンジャーではベスト4入りし、WTAランキングを365位へと上昇させた。ジュニア大会での目標であるグランドスラムタイトルを狙って一発奮起で挑んだUSオープン・ジュニアだったが、初戦敗退とまたしても上位進出には至らず。その後主催者推薦でAIGジャパン・オープンに出場し、WTAツアー本戦デビューを飾ったが、同じく10代で成長著しい第4シードの
M・キリレンコに1回戦で惜敗し、初勝利とはいかなかった。しかし、格上相手に4-6, 4-6と粘った戦いを見せ、上のレベルでも十分戦えることを示した。
10月のワールド・スーパー・ジュニアでは、ランキング1位のV・アザレンカに決勝で敗れたが準優勝をおさめ、牧の原でのチャレンジャーではベスト4と好成績を残し、11月の全日本選手権では並み居る年上の選手を破って見事優勝。15歳8ヶ月での優勝は史上3番目の年少記録で、昨年ベスト8に入った戦績を更新し、その実力の高さを証明した。今年最後の大会となったイザワ・クリスマス・オープンでは、連戦の疲れからか、2回戦途中で腰痛のため棄権する悔しい敗退となってしまった。
2006年3月に16歳の誕生日を迎える森田は、それから1年間はWTAツアー11大会への参加が可能となり、そのうち4回で主催者推薦を受けることが出来る。目標はあくまでジュニア・グランドスラム優勝だが、可能な限り通常ツアーの予選にチャレンジする方針で、精力的に格上の大会に参加しランキングを上げ、同世代で活躍している
S・カラタンチェバらと肩を並べるような世界の舞台での活躍を期待したい。