|
今度こそ余暇を楽しんでいるナルバンディアン |
画像提供:Getty/AFLO |
(アルゼンチン、ブエノスアイレス)
D・ナルバンディアン(アルゼンチン)は、当初はマスターズカップには参加資格がなく、早々と地元アルゼンチンで釣りに行く予定だった。しかし上位選手の棄権で急遽繰り上げ参加権を得て臨んだその大会で、思わぬ大物を釣り上げることとなった。
A・ロディック(アメリカ)の欠場に伴って、上海に呼ばれたナルバンディアンは、6月から負け知らずのR・フェデラー(スイス)に決勝で土をつけ、その連勝記録を阻止、見事優勝を決めた。「これ以上の獲物は無いよ!」とナルバンディアンは喜びを隠せない。
大会後、また30時間かけて上海から地元アルゼンチンに帰省したナルバンディアンは、今回の勝利は、タイトルを取ったという事実はもとより、「負けたも同然の状況から逆転した」勝ち方が非常に嬉しかったとコメントしている。
「マスターズカップの決勝で、世界1位と対戦できることだけでも素晴らしいのに、しかも勝って優勝できたなんて最高さ。」
ナルバンディアンは優勝賞金140万ドルを手にし、ランキングも6位に上昇させ、3年連続となるトップ10フィニッシュを確定させた。
ナルバンディアンのマスターズカップ出場は今回が2度目で、前回出場した2003年には予選ラウンドロビンで敗退している。
「今回は上海でトレーニングする時間が殆ど無かったんだ。しかも、時差ぼけのせいで、体調も優れなかった。」
そこで、彼が勝つために見出した唯一の方法は、メンタル面で勝つことだった。そして、試合毎に舞台となったチーチョン・スタジアムのカーペットコートで確かな手ごたえを掴み、自信を培っていった。フェデラーには予選でこそフルセットで敗れたものの、決勝では非常に価値のある1勝をおさめ、対戦成績も6勝4敗と勝ち越しを広げた。また、アルゼンチン勢としては、1974年のG・ビラス(アルゼンチン)以来の優勝だった。
来年のナルバンディアンの目標は、ランキングトップ3に入ることだという。これまでの最高は2004年に記録した4位。
実家に帰ったナルバンディアンは、どこに釣りに行くかは明かさなかったものの、今度こそ誰にも邪魔されず釣りを楽しんでいるに違いない。
(2005年11月24日)