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来季も活躍することを誓ったフェデラー |
画像提供:Getty/AFLO |
(中国、上海)
男子ツアーの最終戦、マスターズカップの決勝で、ジュニア時代からのライバルであるD・ナルバンディアン(アルゼンチン)に7-6, 7-6, 2-6, 1-6, 6-7という壮絶なスコアでまさかの敗退を喫したR・フェデラー(スイス)が、来季の抱負を語った。
シーズン後半になって、足首の怪我を抱えるなど万全とはいえない状態のフェデラーだったが、来シーズンは万全の体調でツアーに戻ってくることを誓っていた。「確かに世界1位でい続けることは大きな目標だ。維持できるよう頑張るつもりだよ。でも同時にウィンブルドン制覇や、全仏オープン優勝も狙っていきたいんだ。僕にとってはこの3つが来年の目標だよ。」
フェデラーは今季、1937年-38年にドン・バッジが達成して以来となるウィンブルドンとUSオープン2連覇を成し遂げている。もしマスターズカップでナルバンディアンに勝って優勝していれば、同大会3連覇となり、1984年にJ・マッケンロー(アメリカ)が記録した年間82勝3敗という最高勝率にも並ぶところだった。
その圧倒的な強さからすれば、フェデラーのマスターズカップ優勝はほぼ確実と見られていたが、怪我という思わぬ敵に足をすくわれることとなった。大会前に怪我をしたため殆ど思うような練習が出来ない状態で大会入りしたフェデラーは、何とか決勝まで勝ち上がり王者の意地を見せたが、決勝のナルバンディアン戦では、怪我の影響もあり、第1、第2セットのタイブレイクで完全に体力を消耗してしまうと、その後ナルバンディアンに歴史的な逆転を許すこととなった。敗戦を振り返りフェデラーは「僕はそんなに負けないから落胆しているさ。勝てば記録達成なのも知っていた。やはり3週間前に怪我したのが響いたね。」とコメントしていた。
最終戦で手痛い敗戦を喫したフェデラーではあるが、その敗戦を加味しても、2005年は彼にとっても満足できる内容だったに違いない。フェデラー自身は、「おそらく、去年のほうがよかったね。だって、3つのグランドスラムタイトルと、マスターズカップ優勝があったのだから。」と語ってはいるものの、ウィンブルドンとUSオープンで連覇を達成し、勝率95%を記録した今シーズンは、グランドスラム3勝、マスターズカップ優勝を達成した昨年と比べてもなんら遜色ないものだったといえる。フェデラーは続けて、「あれ(昨シーズン)以上はもう良くなりようが無い。でも今年もなかなか負けず長い連勝を何度も達成することが出来たし、それはそれでとても素晴らしいことなのだと思う。時に僕は無敵だったとも思うよ。」と語っていた。
来年に向けてフェデラーは、怪我や体力の回復を受け、体調を万全にしていくことに努めるつもりだという。「リハビリを続けていくことは間違いない。バケーションに行ったとしても、足のトレーニングをしっかり続けて、来シーズンを良い状態でスタートできるようにするさ。僕にはまだ得たいものがたくさんあるしね。」
王者として君臨するフェデラーだが、更なる高みを目指して来年も精進することを心に誓っていた。
(2005年11月22日)