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クレイステルスが悲願の四大大会初優勝

キム・クレイステルス
グランドスラム5度目の決勝で悲願の初優勝を飾った
画像提供:Getty/AFLO

(アメリカ、ニューヨーク州フラッシング)

連日熱戦が繰り広げられてきたUSオープンは、大会13日目の土曜日、ナイトマッチで女子シングルス決勝が行われ、K・クレイステルス(ベルギー)M・ピアース(フランス)を6-4, 6-1のストレートで下し、グランドスラム決勝5回目の挑戦にして初の優勝を飾った。

昨年は手首の怪我でシーズンの大半を棒に振ったクレイステルスだが、今季復帰してきてからは女子ツアー最多となるツアー6勝を上げ、前哨戦のUSオープンシリーズでも最多の2勝を飾るなど、今大会は第4シードながら優勝候補の筆頭とされてきた。これまでは同胞のJ・エナン=アルデンヌ(ベルギー)の陰に隠れた感のあったクレイステルスだが、ここにきて一気に女子テニスの最高峰にまで上り詰めたといえる。昨年引退の危機に晒された無冠の女王がこの日、真のチャンピオンとなった。


キム・クレイステルス
ボーナスも合わせ、女子スポーツ史上、
最高額となる賞金220万ドルを手にした


メアリー・ピアース
全仏に続き、惜しくも決勝で敗れたピアース
画像提供:Getty/AFLO

試合は、開始直後の第1ゲームでクレイステルスがいきなりピアースのサービスをブレイクして幕を開ける。豪打のピアースに、粘りのクレイステルスという形で試合は進んでいくが、この日のピアースには準々決勝のエナン=アルデンヌ戦、準決勝のモレスモ戦のときのような圧倒的なパワープレーが見られない。これまでの試合では面白いように決まっていた得意のフォアハンドのクロスショットも、クレイステルスのコートカバーリングの前には決定打とならず苦しい展開となる。結局最初のサービスブレイクを守りきり、第1セットはクレイステルスが6-4で先取する。 

第2セットに入ってもクレイステルスの勢いは止まらない。サービス、ストロークでピアースを完全に圧倒し前後左右に振りまわしてはポイントを重ねていく。自らのサービスをラブゲームでキープし、相手のサービスゲームを次々とブレイクしていく一方的な展開。そして迎えた第7ゲーム(5-1クレイステルスがリード)、ピアースが2度のブレイクポイントを手にするが、それをはねのけたクレイステルスが2度目のマッチポイントで見事試合を決めた。ピアースは何とか挽回しようと必死に粘るものの、最後はサービスリターンをネットにかけゲームセットとなった。

優勝を勝ち取った瞬間、クレイステルスはネット越しでピアースと抱き合った後、スタンドで観戦していた家族、コーチのもとに駆け寄り、初のグランドスラム優勝の喜びを分かち合っていた。クレイステルスは「勝利が決まってスタンドを見たら彼ら(家族)が目に入ったの。その瞬間自然と彼らの元に駆け寄る自分がいたの。」と、その時のことを振り返っていた。

また優勝インタビューでは「ありがとうございます。優勝出来たことが未だ信じられませんし、言葉になりません。昨年はリハビリをしながら家で試合を見ていました。しかし、それももう過去のことね。今日対戦したピアースには心から感謝しています。私は全豪で活躍する彼女が大好きでした。そのピアースがこれまで頑張ってきたことに心から敬意を表します。私にとってここ3年はいろんなことがありましたが、グランドスラム決勝の場にこうして戻って来ることが出来て本当に嬉しく思っています。お父さん、ありがとう。ベルギーの応援団もありがとう。」と語り、優勝までの道のりを振り返っていた。
USオープンシリーズでの成績が1位だったクレイステルスは、優勝者に贈られる優勝賞金の110万ドルに100パーセントのボーナスが加わった220万ドルの賞金の小切手を受け取った。セレモニーの後の会見でクレイステルスは、「これまで何度かグランドスラム決勝に進んできたけれど、どうしても勝利することができなかった。でも、そういった悔しい経験があったらからこそ、より厳しいトレーニングを積んで頑張ることが出来たの。」と笑顔で語っていた。

全仏オープンに続き、今季2度目のグランドスラム決勝で惜しくも敗れることとなったピアースは、試合後ベンチで呆然としていたが、インタビューでは「キム、おめでとう。あなたは素敵な選手です。優勝に値すると思います。来年もここに帰ってきたいですね。」とコメントし、未だ挑戦し続ける意思を語った。
また、グランドスラムでは1995年全豪オープン、2000年全仏オープンと5年ごとに優勝してきていたピアースは、「試合に負けたのだから物凄いショックなことだけは確かね。あと1ポイント取られたら負けというところまで追い詰められたときでも、私は『とにかく最後まで諦めずプレーし続けなさい』って自分に言い聞かせていたの。試合前は凄く気分も高まっていたし、戦う準備も完璧に出来ていた。でも今日は最後まで勝利の神は私に微笑まなかったわ」と語っていた。

M・シャラポワ(ロシア)がグランドスラム初のトップシードになり、前年優勝のS・クズネツォワ(ロシア)が初戦敗退し、優勝候補のL・ダベンポート(アメリカ)がまさかのベスト8敗退を喫するなど、様々なドラマが演じられてきた今年のUSオープン女子シングルスは、今季見事怪我からの復帰を果たしてきたクレイステルスの劇的な優勝で幕を閉じることとなった。

(2005年9月11日)

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