「インバケア・ワールド・チーム・カップ(以下WTC)」が6月21~26日の日程でオランダ・フローニンヘン市で開催されている。WTCとは、プロのテニスにデ杯、フェド杯と同じような国別対抗戦である。
日本からは、斎田悟司、国枝慎吾らのトップ選手が出場する男子チームはワールドグループ1の第3シードで、初日韓国との対戦では二人ともシングルスを勝ち取り、2回戦に勝ち進んだ。順当に行けば、第1シードのフランスと準決勝でぶつかる。ドローのもう一つの山には第2シードのオランダと第4シードのオーストラリアがあり、これら4カ国での優勝争いが期待される。
女子チームは第2シードで出場し、初日ポーランドとの対戦を突破し2回戦進出を決めた。 第1シードはオランダで、両者順当に行けば決勝対決となる。
WTCは、男子はワールドグループ1、ワールドグループ2の2クラスに分かれて各16ドローで戦われる。女子は1クラスで16ドローのトーナメント。クアードは2組に分かれてのラウンドロビンで、それぞれ4チーム中上位2チームが決勝トーナメントを競う。
試合は、各国の代表選手が、シングルス2試合、ダブルス1試合の3ポイントで争う団体戦だ。男子、女子、クアード、ジュニアの大会が、同一会場で行われる。
2003年のWTCでは、第1シードのオランダ、第2シードのアメリカを倒し、日本の男子チームが優勝を果たした。日本が、テニスで世界の頂点に立つというのは、これが初めてのことだった。この優勝によって、日本のテニス関係者の中で車いすテニスが一層注目を集めるようになった。2003年の大会では、第2シングルスを務めた国枝慎吾が全て勝ち、勝利への牽引力となった。第1シングルスの斎田悟司が敗れても、斎田・国枝のダブルスで勝利し、優勝へつながった。
昨年は、斎田を欠いた日本チームは不振に終わった。今年再び斎田を投入する日本代表は、再び優勝を果たすことができるだろうか。優勝へのカギとなるのは、やはり国枝の第2シングルスだろう。2003年当時よりも、各国の2番手が力をつけてきている。シングルスのどちらかでも勝ってポイントを取れば、世界最高のダブルスで勝利をつかむ可能性は高くなる。
女子は、02年に女子が3位という好成績を残している。優勝する日も近いのではないかと言われていたが、その後はなかなか上位まで勝ち上がれていない。しかし、今年好調の八筬美恵の勢いで、上位進出に期待したい。
インバケア・ワールド・チーム・カップ 日本代表チーム |
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男子 | 斎田悟司、国枝慎吾、藤本佳信 |
女子 | 八筬美恵、大前千代子、岡部裕子 |
クアード | 當間寛、大橋和美、長岡尚志、山本徳彦 |
コーチ | 丸山弘道(男子) 愛須正(女子) 中澤吉裕(クアード) |
(2005.06.22 文:酒井朋子)